「いやぁ、雨の日でも売れるもんですねぇ」私が店長時代に部下から投げかけられた台詞です。降雨の日が多いと、雨の日の集客に苦労するガソリンスタンドが増えると思いますが、雨の日も工夫次第で集客することが可能です。今回のコラムでは、ガソリンスタンドが雨の日に実施するべき集客手法、売上向上策をご紹介していきます。
1.ガソリンスタンドの雨の日対策
(1)窓拭き不要の特典
「『窓を拭いてもよろしいですか』と雨の日でも声掛けしなさい」と店長に言われてこのように声を掛けるスタッフは多いと思います。これに対して「すぐ濡れちゃうからいいよ」と言う顧客もいれば「はい、お願いします」と言う顧客もおり、後者が多いのが実情です。
スタッフは「どうせ濡れちゃうのに…」と思いながら窓を拭くのですが、フルサービスのガソリンスタンドにおける窓拭きは、飲食店でお冷を出されるのと同じ意味合いがあるはずです。顧客は、お冷を飲まないけれども、出されないとサービスに手を抜かれた気がするはずです。
窓拭きはスタッフに一定の負荷がかかり、顧客の回転率も下がりますから、窓を拭かなくても良い顧客向けに、ガソリンの割引やクーポン券などを準備しておきます。そして「窓を拭いてもよろしいですか」ではなく「窓拭きサービスと今日から使える割引券、どちらをご利用されますか」と問いかけた方が、顧客もスタッフもありがたいでしょう。
これを継続することで「あそこのガソリンスタンドは雨の日にガソリンが安くなる」という認識を植え付けることができれば、雨の日の集客が可能となります。重要なことは、雨の日だから割引するのではなく、窓を拭かないから割引する、ということです。繰り返しになりますが、窓を拭かないということは、スタッフの負荷を軽減し、顧客の回転率が上がるからです。
(2)洗車の割引
雨の日は洗車する人がいない、という認識を持つ人は多いと思います。ですが、雨の日の洗車には顧客にとって以下のメリットがあります。
①汚れが落ちやすい
雨の日は、車体に付着した汚れが雨で浮き上がります。特に頑固な虫汚れや鳥の糞などに効果的です。この状態で洗車をすると、汚れが落ちやすくなります。洗車機で洗っても汚れが落ちていないとゴシゴシ擦って落とそうとして、塗装に負荷をかけるわけですが、これが不要になり、車の塗装に優しい洗車ができるため、塗装寿命の長期化に繋がります。
②早く終わる
雨の日は洗車後に、車体に残っている水滴を拭き取る必要がありません。また、洗車機が空いているということもあり、洗車開始までの待ち時間も、洗車仕上げの待ち時間も短時間で済むこととなります。
これらを普段から訴求し、雨の日洗車の需要を高めていきます。拭き取り作業が不要ですから割引もするべきでしょう。ここで重要なことは、あくまでも洗車料金を割引するべきであって、車内清掃などのオプションは定価のままにする、ということです。なぜなら車内清掃は晴れの日も雨の日も負荷が変わらないためです。
(3)油膜落としの告知
車を使っていると、他車の排気ガスや、雨の日に自車の屋根から流れ落ちるワックスなどにより、フロントガラスに油膜が付きます。
晴れの日にこの油膜落とし作業を告知しても、顧客は油膜が気になっていませんから、応じにくいものです。これに対して、雨の日は油膜が際立ち、気になります。そこで、雨の日に油膜落としや併せてガラスコーティング作業を告知すると、顧客はそれに応じる可能性が高まります。
今回のコラムでは、ガソリンスタンドが雨の日に集客し売上を増やす3つの方法として、(1)窓拭き不要の特典、(2)洗車の割引、(3)油膜落としの告知、を挙げました。雨を味方につけて、雨の日だからこそできる集客・販売を行っていきましょう。
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