1.来店客を固定化させ、油外販売に結びつけるには
(1)囲い込みによりリピーターへ育成する
前回のコラムで、油外商品を販売するための集客方法について述べました。ここで留意しなければならないのは、イベントなどで集客した新規顧客をリピーターに育て上げなければ、油外商品は効率的に売れていかない、ということです。この育て上げるために有効なツールとして挙げられるのは、メールやLINE会員、クレジット会員といった各種会員制度でしょう。
メールやLINE会員は、当店からのお知らせを受信する設定をしていただければ、ガソリンが割引となる制度とします。これにより、イベントやキャンペーンのお知らせがしやすくなります。クレジット会員は、当店で使えるクレジットカードに入会していただければ、ガソリンが割引となる制度とします。これにより、手持ちの現金がなくても油外商品を購入することが可能となります。
このようにして、来やすくし、買いやすくするために、イベント開催時には、来店された顧客に油外販売を行うことよりも、新規顧客がリピーターになっていただけるように、メール会員やクレジット会員の入会について、徹底して声掛けを行います。
【参考記事】 業務を徹底させるために
このようにして油外販売の下地を作った上で、日々次のポイントを意識して販売していくことをお勧めします。
(2)顧客心理を踏まえて接客する
まず、顧客が「Yes」と答えやすい声掛けを意識します。人は会話の中で最初の応答として「Yes」と答えるか「No」と答えるかで、その後の展開が変わってくるものです。例えば、以下のやり取りを考えます。
スタッフ「タイヤの空気圧の点検はいかがですか」
顧客「はい、お願いします」
スタッフ「一緒に、エンジンルームの点検はいかがですか」
これは、会話の最初の応答が「Yes」の事例です。では、以下のやり取りはどうでしょう。
スタッフ「エンジンルームの点検はいかがですか」
顧客「いいえ、結構です」
スタッフ「では、タイヤの空気圧の点検はいかがですか」
どちらのほうが、2回目のスタッフの声掛けに対して応じやすいか、ということです。私の体験からしても、最初のアプローチとして、顧客が「Yes」と言いやすい、タイヤの空気圧点検から入っていくのが有効だという印象があります。
(3)エクセルで顧客を管理する
声掛けの結果を次に活かすことが重要です。このために、顧客の車両の前後についているナンバープレートの数字(原則4桁)と声掛けの結果を紐づけることをお勧めします。
店頭に置いたノートパソコンに顧客の4桁の車両番号を打ち込めば、今までに誰がどんな声掛けをして、顧客はどんな反応をしたのかが分かるようにします。具体策は以下のコラムを参考にして下さい。
【参考記事】 儲かるロードサイド店の顧客管理
(4)モチベーションを維持・向上させる
ガソリンスタンドで扱う商品は、他店と差別化することが困難なものがほとんどです。よって、スタッフの質で差別化する必要があります。
スタッフの質は、知識や技術といった表層化する面と、モチベーションやメンタルヘルスといった内面で決まってくるはずです。ガソリンスタンドにおいては、知識や技術の維持・向上の研修はよく耳にしますが、モチベーションの管理は弱い印象があります。モチベーションはどういうときに高まるのかという仕組みを理解し、モチベーション向上のための具体的なアクションを設定しましょう。
【参考記事】
ベテラン社員のモチベーション
年上の部下への対応
以上のように、油外商品の販売は、集客→固定化→販売、といったストーリーとその具体策の設定が必要です。精神論を振りかざし、がむしゃらに声を掛けさせても、現場は疲弊し続け、離職者が増えるだけなのです。
さて、貴店では、油外商品販売のためにどのようなストーリーが設定されていますか?そして、そのストーリーに基づいた具体策はどのようなものですか?
2.メルマガ会員様募集中
メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】を優先的に配信しています。
メルマガ登録はこちらから↓↓↓
https://ssl.form-mailer.jp/fms/33bd5af2611330
3.電子書籍のご案内
1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編