昔ながらの回らない寿司店を経営するA氏。最近、顧客の入りが悪く、暇な時間が多くなっています。赤字になってしまう月もあります。さほど人口が多いわけでもなく、観光客が訪れるような名所があるわけでもない街に立地していますが、飲食店の数は非常に多いとのこと。そんな中、どのようにして集客をするべきかという悩みに触れる機会がありました。
お寿司は今や、回転寿司やスーパーマーケット、持ち帰り専門店などでも提供しており、「お寿司」というモノを提供するという考え方では、競合との価格競争に巻き込まれてしまいます。
今回のコラムでは、このような激戦区に立地する飲食店が集客するための方法を見て行きます。
飲食店が集客するための方法1:差別化を図る
A氏に「貴店は、お寿司を提供する他の店舗とどう違うのですか?」と質問したところ、「ネタが新鮮」「ネタが大きい」などという答えが返ってきました。ですが、実はこの回答は答えになっていません。
質問が「貴店の提供するお寿司は、他店とどう違うのですか」であれば、回答になり得ますが、この質問の取り違えが意味するところは、A氏は「お寿司」というモノにのみ目が向いていることを意味しています。
そして、競合が仮に「ネタが新鮮ではない」「ネタが小さい」のであれば、それに見合った価格で販売されてしまえば、価値と価格に整合性がとれている限り、A氏が経営する寿司店の差別的優位性は薄れることとなります。
よって、お寿司で差別化するのではなく、お寿司も含めた店舗全体での差別化が必要となります。そこで着目したいのは経営者の経歴です。ネタやメニュー、価格は競合がマネできても、経営者の経歴だけは真似ができません。これを活かした差別化の事例として以下のコラムを参考にしてください。
事業が小規模であるほど経営者の経験・経歴が強みとなり得る理由
商品単価の向上による売上の増加策
飲食店が集客するための方法2:再来店を促進させる
あるカフェでは、初めて来店なさった顧客にスタンプカードを渡しています。次回から1杯ドリンクを飲む度にスタンプが1つ押され、10個になると1杯無料、という仕組みです。
これに対して別のカフェでは、初来店の顧客に対して12個のスタンプが貯まると1杯無料のスタンプカードを渡しました。ただし、最初の1,2杯目には既にスタンプが押されています。
そして後者のカフェの方が、リピーターが多かったという結果を得ました。人はゼロを1にするのは労力が必要ですが、1を2に、2を3にすることは、比較的労力がかかりません。現在進行形に巻き込まれているからです。
このように、スタンプカードを渡して再来店を促すにしても工夫が必要です。その他にもポイントカードや割引券、メルマガ会員など、再来店を促進しやすくする手法は多数あります。このような仕組みを設けることにより、顧客は「また行ってみるか」という来店の理由を与えられることとなります。
飲食店が集客するための方法3:新規来店を促進させる
新聞の折込みチラシやイベントの開催という新規顧客獲得の施策はありますが、大事なことは既存顧客を活用して、口コミを広げていただくことです。そのために、無料で活用が可能であるグーグルマイビジネスを活用しましょう。以下のコラムを参考にして下さい。
リアル店舗がグーグルマイビジネスで効果を上げる3つのポイント
エステサロンが口コミで集客する5つの方法
また、サブスクリプション(定額制)サービスを導入する飲食店も目にするようになりました。例えばランチタイム限定でこれを導入し、夜の利用に繋げることも一考ですので、こちらのコラムを参考にして下さい。
儲からないガソリンスタンドにおける洗車会員制度の特徴
さらにお寿司はインスタ映えする料理ですので、積極的にインスタで情報発信することも心掛けましょう。
今回のコラムでは、激戦区に立地する飲食店が集客するための方法として、1.差別化を図る、2.再来店を促進させる、3.新規来店を促進させる、を挙げました。競合店が多いということはそれなりの市場規模が存在する、ということです。よって、競合を出し抜くことが出来れば、殺到する顧客の数が多いとも言えます。前述の寿司店の経営者は、希望を持って取り組んでいただきたいと思います。
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