20年以上の歴史があるその理容店は、新年に入って極端に顧客が減少してしまいました。経営者いわく、ここまで顧客が減ったのは初めてであり、色々原因もあるとのことですが、なかなか対処できず、暇な時間は店の掃除やカットの練習などをしているそうです。今回のコラムでは、この状況をどのように打開するべきかを見て行きます。
1.廃業とは縁のない儲かる理容店になるポイント
廃業とは縁のない儲かる理容店になるポイント(1)外部環境に目を向ける
元プロ野球監督の故野村克也氏は「負けに不思議の負けなし、勝ちに不思議の勝ちあり」という言葉を残しています。これによると、その理容店の現在が「負け」の状態であるのなら、それには必ず原因があるわけで、経営者は「色々原因もある」と言っていますが、その「色々」を明確にする必要があります。
そこでまずは、外部環境に目を向けることをお勧めしますが、この際の切り口として外せないのは競合動向と顧客動向です。
競合動向では、商圏内の競合店の数、平均価格、営業時間、ホームページの有無、特徴などを押さえましょう。そして、これらの内容に勝てるような手を打っていきます。また、顧客動向では、顧客カルテがあるのなら平均来店頻度、平均単価を押さえることができるでしょうし、日々の接客時における会話から汲み取った顧客ニーズを一覧にすることも一考です。そして、顧客満足を高めることができるような手を打っていきます。
理容店は、競合動向として1,000円カット店・チェーン店・美容室の新規出店を、そして顧客動向として安値志向・散髪サイクルの長期化を挙げがちです。
しかし、自店が高級路線の場合、1,000円カットの店舗は自店の競合となり得るのでしょうか。競合を見誤るということは、競合動向を踏まえた戦略を見誤るということです。また、散髪サイクルの長期化と言いますが、どのくらい長期化しているのでしょうか。なんとなくそう感じるのであれば、それを裏付ける根拠があって、初めて散髪サイクルが長期化している、と言えるはずです。打ち手は「解釈」ではなく「事実」に基づいて検討する必要があるでしょう。
廃業とは縁のない儲かる理容店になるポイント(2)内部環境に目を向ける
内部環境は、人・物・金・情報といった経営資源に着目します。それぞれについて、良い傾向は「強み」ですし、悪い傾向は「弱み」です。
- 「人」に着目する際は、経営者や店舗で働くスタッフにどんな強み・弱みがあるのか。
- 「物」に着目する際は、店舗やその設備、使用したり販売したりしているヘアケア製品などにどんな強み・弱みがあるのか。
- 「金」に着目する際は、資金繰りの状況、現金の在高、借入枠などにどんな強み・弱みがあるのか。
- 「情報」に着目する際は、顧客への情報提供の手段やその内容、当店の情報入手方法などにどんな強み・弱みがあるのか。
これらを検討することになりますが、強みとは競合と比べて優位性があること、そして、顧客満足を向上させることができる経営資源であり、弱みはその逆です。よって、内部環境を検討するために前述の外部環境である競合・顧客動向を押さえる必要があります。
廃業とは縁のない儲かる理容店になるポイント(3)強みを活かし、それを届ける
冒頭の経営者は「暇な時間は、店の掃除やカットの練習などをしている」とのことですが、集客を図るなら、顧客が来店したくなる理由を訴求しなければなりません。
よって、強みを活かした取組みを検討し、その取組みを顧客に知っていただく必要があります。そのために、SNS含むインターネットの活用や、新聞折込みチラシ・チラシポスティングの他、店頭告知、ダイレクトメール・電話・メールなどで顧客へ訴求します。
そして、ご来店していただいたら、再来店したくなる仕組み、例えばニュースレター、スタンプカード、ポイントカード、早期予約割引などを導入しておくことも重要です。
廃業とは縁のない儲かる理容店になるための成功のカギとは、外部・内部環境の見極め、それに基づく取組みと訴求力だと考えますが、いかがでしょうか。
2.理容店の戦略に関する参考コラム
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