同社は主に事業者向けに電気工事を提供していますが、新型コロナウイルス感染症の拡大が招いた景気の停滞により、工事の需要が減少し、業績が低下してしまいました。また、工事の打ち合わせは、オンラインで行うなど非対面型を要望されるようになりました。
そこで、業績の拡大と非対面型業務の推進にかかる費用の一部を、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達しようと考え、計画書を作成し申請したところ、採択という結果を得ることができました。そこで、同社が作成した計画書から、採択された理由を検証し、採択の可能性を高める計画書の書き方を見ていきます。
下図は当補助金申請時に提出する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、下図の赤枠部分<経営計画>「1.自社の事業概要」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年1月29日時点の情報に基づいています。
1.持続化補助金で非対面型業務に取組んだ電気工事店の事例【自社の事業概要編】
持続化補助金で非対面型業務に取組んだ電気工事店の事例【自社の事業概要編】(1)求められていることを記載する
当補助金の計画書フォーマットは小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページからダウンロードできますが、今回見ていく「1.自社の事業概要」欄には以下の但し書きがあります。
※自社の概要や経営状況、課題、特徴、自らが製造・販売・提供している商品・サービスの内容や市場動向等について記載してください。また、自社の経営方針・目標等についても記載してください。
この但し書きに取り上げられた項目は現状のことと今後のこと、そして現状のことは内部環境と外部環境に分けられますが、同社が記載されてこられた内容を拝見すると、この但し書きを意識した見出しが設けられていました。
わざわざ計画書フォーマットに但し書きを記載しているということは、その内容を記載してほしいという意思の表れであり、それに対応したことは同社が採択を引き寄せた要因と考えられます。
持続化補助金で非対面型業務に取組んだ電気工事店の事例【自社の事業概要編】(2)売上高上位メニューを記載する
同社は、直近期で売上高の大きい工事ベスト5を金額とともに記載しておりました。これは、前述の但し書きの「経営状況」を説明するものですが、日本商工会議所、全国商工会連合会が公表している小規模事業者持続化補助金<一般型>の記入例に則ったものと想定されます。
なお、同補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページで公表されている当欄の記入例には以下の記述があります。
同社が記載してこられた売上高の大きい工事ベスト5は、上図の「①どのような製品やサービスを提供しているかお書きください」という記述に対応しているとも考えられ、このことも採択を引き寄せた要因のひとつと言えるでしょう。
持続化補助金で非対面型業務に取組んだ電気工事店の事例【自社の事業概要編】(3)ビジュアルに訴求する
同社は、自社の社屋や工事風景といった写真を盛り込んで自社の紹介をしておりました。また外部環境の説明として、電気工事における市場規模の推移を示したグラフを盛り込んでおりました。
文章だけの説明では、読み手の集中力が削がれがちで、結果として伝えたいことが伝わらなかったり、理解を深めることが困難になったりするものです。同社は、見出しを設けたりアンダーラインを引いたりするだけでなく、写真や図表を用いてビジュアルに訴求したことで、これらのリスクを低減させたことも、採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された電気工事会社が記載した「1.自社の事業概要」から、採択を引き寄せたポイントとして(1)求められていることを記載する、(2)売上高上位メニューを記載する、(3)ビジュアルに訴求する、を述べました。次回のコラムでは「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」について見ていく予定です。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
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