同社は主に事業者向けに電気工事を提供していますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による景気の停滞により、工事の需要が減少し、業績が低下してしまいました。また、感染リスク低減のためにオンラインの非対面型打ち合わせを要望されるようになりました。
そこで、業績の拡大と非対面型業務の推進を目的に、それらに要する費用の一部を小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達しようと考え、計画書を作成し申請したところ、採択という結果を得ることができました。そこで、同社が作成した計画書から、採択された理由を検証し、採択の可能性を高める計画書の書き方を検討していきます。
下図は当補助金申請時に提出する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、下図の赤枠部分<補助事業計画>「2.補助事業の内容」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年1月31日時点の情報に基づいています。
1.持続化補助金で非対面型業務に取組んだ電気工事店の事例【補助事業の内容編】
持続化補助金で非対面型業務に取組んだ電気工事店の事例【補助事業の内容編】(1)補助事業を切り分けて説明する
同社の補助事業は、顧客が同社サービスを利用しやすくするためのツールと非対面型業務を推進するためのツールの導入ですが、これらをまとめて説明すると内容が冗長になりがちで、読み手の理解が進みにくくなってしまうリスクがあります。
そこで同社は、これらツールの導入に関する説明をツールごとに切り分けて説明を記載し、このリスク軽減を図ったことが採択を引き寄せた理由のひとつと考えられます。
持続化補助金で非対面型業務に取組んだ電気工事店の事例【補助事業の内容編】(2)対人接触機会が減少することを記載する
当補助金の計画書フォーマットは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページからダウンロードできますが、今回見ている<補助事業計画>「2.補助事業の内容」欄には、黄色いマーカーが塗られた以下の但し書きがあります。
※感染拡大防止のための対人接触機会の減少に資する新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組について、取組内容や実施体制、スケジュールを具体的に記載してください。
この但し書きから読み取れることのひとつに、当補助金を使うことで「対人接触機会の減少」が求められていることが挙げられます。このことは、前述のサイトからダウンロードできる、以下に示した当補助金申請時のルールブックである公募要領内「審査の観点」における下線部分からもうかがえます。
これを踏まえ、同社は補助事業によって「対人接触機会の減少」が実現できることを記載していたことも、採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。
持続化補助金で非対面型業務に取組んだ電気工事店の事例【補助事業の内容編】(3)見出しに則って記載する
当補助金の計画書フォーマットのうち「補助事業の内容」欄には、前述の但し書きの他に、以下の見出しが設けられています。
■補助事業内容(取組内容)
■必要な理由
■事業実施スケジュール
同社はこれらの見出しに則って補助事業を説明しておりました。特に「必要な理由」として、当補助事業による非対面型業務を推進しないと、感染リスクが高まり、打ち合わせが行えず、結果として工事失注のリスクが高まるため、これを回避する必要性があることを述べておられました。
また「事業実施スケジュール」は、横軸に半年の時間軸を、縦軸に実施事項を記載した表を作成して、何をいつ実施するのかを一目で分かるようにしておられました。このように、あらかじめ設けられた見出しに則り、その内容を記載したことも採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された電気工事会社が記載した「2.補助事業の内容」から、採択される計画書のポイントとして(1)補助事業を切り分けて説明する、(2)対人接触機会が減少することを記載する、(3)見出しに則って記載する、を挙げました。
次回のコラムでは<補助事業計画>「3.補助事業の効果」について見ていく予定ですが、同社の計画書を事例として採り上げたこれまでのコラムは以下となります。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
3.メルマガ会員様募集中
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