人手不足は企業の存続に影響を及ぼします。先日、知人が経営する飲食店が、人手不足を原因に閉店してしまいました。この経営者は、以前から人手不足を嘆いていたのですが、まさかそれが原因で閉店することになるとは思ってもみなかった、と呟いていたのが印象的でした。
人手不足は以下のステップを経て深刻になっていくことから、今回のコラムでは、各ステップの内容とその対応を見ていきます。
人手不足の泥沼にハマるステップ1:既存スタッフが辞める
人手不足の泥沼にハマる第一歩は、何らかの理由で現在働いているスタッフが辞めることです。よって、既存スタッフの定着率を向上させるために、従業員満足を向上させなければなりません。具体的には、業務の標準化、人材の能力開発、モチベーションの向上が必要となります。それぞれについて以下のコラムを参考にしてください。
【標準化】
人手不足のガソリンスタンドが洗車で儲けるオペレーションとは
経営理念が意味するもの
【能力開発】
人材育成がうまくいかない上司3つの共通点
ガソリンスタンドで働くスタッフの行動変容を促す5つのステップ
【モチベーション】
ベテラン社員のモチベーション
承認による店舗マネジメント
これら従業員満足の向上を図らないまま、単に辞めたから募集してしまうと、また一歩、泥沼に深くハマることとなります。
人手不足の泥沼にハマるステップ2:募集をかけるが応募が少ない
ステップ1のように既存スタッフが退職すると、その穴を埋めるべく、ハローワーク、インターネット、新聞折込みなどで人材の募集をしますが、ポイントを押さえないと応募がない、あっても僅かな人数に留まってしまいます。
そのポイントのうち重要なものは、必ず店頭に募集告知を掲示しておくこと、キャッチコピーにインパクトを持たせることです。以下のコラムを参考にして下さい。
募集しても応募がない。自店の人材確保ができない3つの理由
「何か気になる…」求人広告キャッチコピーを作る5つの方法
これらを意識しないと、応募者に恵まれません。恵まれないと、泥沼の深みにまた一歩足を踏み入れることとなります。
人手不足の泥沼にハマるステップ3:妥協して採用する
ステップ2のように僅かな応募しかなかった場合、人手不足から抜け出したいがために、とりあえず応募者を深く吟味せずに採用せざるを得ず、その結果、辞めやすい人材を採用してしまうリスクを負うことになります。そこで、そのようなスタッフを採用しないための面接手法を組み立てておく必要があります。以下のコラムを参考にしてください。
このような手法を構築せずに、安易に採用してしまうと、次のステップが待ち構えています。「ズブリ。」踏み込んだ一歩がさらなる泥沼にハマる音が聞こえそうです。
人手不足の泥沼にハマるステップ4:片手間で教育した結果、辞める
人手不足の中、ステップ3で採用したスタッフをとりあえず早く一人前にしたいので、職場の責任者が忙しい中、片手間で教育するため「ほったらかし」や「ぶっつけ本番」が発生します。その結果、あまり大事にされていないと解釈したり、失敗したりして、新人が辞めていきます。そこで初期教育が重要となりますが、これについて、以下のコラムを参考にして下さい。
このような初期教育を意識しないと次のステップに進んでしまいますが、これは振り出しのステップ1に戻ることを意味します。
人手不足の泥沼にハマるステップ5:既存スタッフが辞める
新人スタッフが一人前になるまで何とか持ちこたえようと踏ん張っていた既存のスタッフは、新人スタッフの退職を受け、職場に失望します。もともと従業員満足は高くありませんから、これ以上耐えることは困難ということで、退職していき、ステップ1からの人手不足の悪循環が回り出し、泥沼にハマっていきます。
今回のコラムでは、人手不足の泥沼にハマる5つのステップとして、1.既存スタッフが辞める、2.募集をかけるが応募が少ない、3.妥協して採用する、4.片手間で教育した結果、辞める、5.既存スタッフが辞める、を挙げ、各ステップの対策を示してきました。
これらの対策を講じるということは、人事戦略を立案し、実行する、ということです。以下のコラムを参考に、戦略構築の重要性を認識していただき、人手不足に苦しまない職場を作っていただきたいと思います。
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