慢性的な人手不足に悩む小売業界。そのような中、あるサイトではその理由を以下の4つとしています。しかし、本当でしょうか？
1．営業時間が長いから
2．土日勤務が必須だから
3．低賃金だから
4．社会的地位が低いから
今回のコラムでは、なぜこれらが人手不足の理由にはなり得ないのかを検討し、どうすれば人手不足を克服できるのか、ガソリンスタンドを舞台に見て行きます。
人手不足解消の対策1：アルバイトスタッフの戦力化
冒頭の人手不足の理由「1．営業時間が長いから」ですが、営業時間と勤務時間は別に考える必要があり、ここでは勤務時間の長さを適正なものにするための方策として、アルバイトスタッフの戦力化を取り上げます。
彼ら彼女らに危険物取扱者の資格を取らせたうえで、権限を委譲し、開店業務や閉店業務を任せることで、正社員の勤務時間は適正なものへとコントロールすることが可能です。
事実、ガソリンスタンドの長時間労働で苦しんでいた私は、アルバイトスタッフの戦力化により、社員全員が定時に帰宅し、年間所定休日も消化できるようになりました。これにつきましては、以下のコラムを参考にしてください。
ガソリンスタンドのスタッフが危険物乙4試験に合格するコツ
多くの客数が見込めない店舗の客単価向上策
人手不足解消の対策2：土日専属スタッフの確保
冒頭の人手不足の理由「2．土日勤務が必須だから」は土日が忙しいために正社員が出社しなければならないということです。よって、土日の勤務が可能なアルバイトスタッフを戦力化することにより、必ずしも正社員が土日のシフトに入らなくてもよいことになります。
学生のアルバイトスタッフやフリーターは土日の勤務を抵抗なくこなしてくれます。土日は書き入れ時ですが、正社員の負荷を軽減しつつ、土日の勤務シフトを厚くしたいなら、土日に働けるスタッフを多数抱え、戦力化する必要があります。それをしないので、正社員がプライベートの予定を潰して土日に働くことになります。
人材を定着させ、求人に対する応募者を増やすには以下のコラムを参考にしてください。
また、結婚し、子供を持つようになると、親戚付き合いや子供の学校行事などで土日に予定が入ることもあります。そこで、子供の運動会の日は休んでも良いことを求人広告で訴求し、人手不足を克服した以下の事例があります。
人手不足解消の対策3：賃金以外の報酬に目を向ける
冒頭の人手不足の理由「3．低賃金だから」は本当でしょうか？世の中には高い給料でも人材が定着しない業種はあるはずです。
賃金は多ければ多いほどいい、と言いますが、実はこの賃金、モチベーションに大きな影響を及ぼさないことが分かっています（もっとも最低賃金に満たない金額を渡したり、残業代が未払いだったりするのは論外です）。以下のコラムを参考にしてください。
賃金は報酬のひとつですが、それ以外にも報酬は多々あり、モチベーションに直結する報酬は賃金以外であることを認識し、実行することにより、人材が定着し、人手不足が克服できる可能性が高まります。
人手不足解消の対策4：「今」を生きる
冒頭の人手不足の理由「4．社会的地位が低いから」というのも本当かどうか疑問が湧きます。
社会的地位が低いと言う人は、自身が低いと「思った」から低いと言っています。人はどんな他人の力を持っても汚れることはありません。自身が汚れたと認めた時点で汚れます。自分の仕事の社会的地位は、自分で決めて良いことに気が付くべきでしょう。以下のコラムを参考にしてください。
社会的地位を気にする店長や店員に経営者はどう接するべきか
社会的地位が最底辺の職業に就いていると嘆く従業員の意識とは
また、私が店長時代にガソリンスタンドの社会的地位が全く気にならなくなったのは、「今」を生きると決めたからです。その時の体験談は以下のコラムを参考にしてください。
「今」を生きると決めた店長は強さを感じさせます。強い人には人が集まり、人手不足は解消の方向に向かう可能性が高まります。
今回のコラムでは、人手不足で困らないためにガソリンスタンドが取るべき対策として、1．アルバイトスタッフの戦力化、2．土日専属スタッフの確保、3．賃金以外の報酬に目を向ける、4．「今」を生きる、を挙げました。今回のコラムを参考に、ひとつでも多くのガソリンスタンドが人手不足から脱却できることを祈っています。
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