玩具店における客数減少の背景
国立社会保障・人口問題研究所によると、2016年の日本国内における人口は1億2,693万人、そのうち0歳~14歳の人口は1,578万人と全体の12.4%、65歳以上は3,459万人と27.3%を占めます。
また、今後の人口推計を見ると、約30年後の2045年には、日本国内における人口は1億642万人、そのうち0歳~14歳の人口は1,138万人と全体の6.9%、65歳以上は3,919万人と36.8%を占めるようになり、人口減少が進む中、子どもの占める割合は小さくなり、高齢者の占める割合が大きくなることが予想されています。
このような少子高齢化の流れを踏まえ、高齢者をターゲットとしたビジネスが多数展開されていますが、窮地に陥っているのが、子どもを対象とした店舗、その筆頭とも言えるのは、玩具店なのではないでしょうか。
生き長らえ、繁盛する玩具店になるには、どうしたらよいのでしょう。
客単価を上げることが可能な理由
売上高は客数と客単価のかけ算で求められます。子どもの数が減り、客数に期待できないのであれば、客単価を上げることも検討の余地があります。
そして、その一つの打開策が、ランドセル市場に見て取れます。かつてランドセルは3万円程度のものが売れ筋であり、5万円を超えると高級品と呼ばれていました。しかし、今や10万円を超えるランドセルが売れています。
アイティメディア株式会社によると、ランドセルの市場規模は2010年の350億円程度から、2016年には600億円程度と1.7倍に拡大しています。少子化が進む中、客単価を向上させ、市場規模を拡大させた事例です。
6ポケットという言葉があります。これは、1人の子どもに対して、父親・母親・父方の祖父母、母方の祖父母それぞれが持つ合計6つの財布が子どもに使われることを意味しています。しかし、今後は、高齢者の割合が高まるだけでなく、人生100年時代と言われるように長寿化も進展することが予想され、祖父母の上の世代が持つ財布も曾孫に使われることが考えられます。そうすると1人の子どもに対しての6ポケットは8ポケット、10ポケットに増加することも考えられます。
つまり、子どもの数自体は減っていくものの、1人の子どもに使う金額は上昇することが考えられるのです。
このように見ていくと、今後の玩具店は、高齢者とともにその孫や曾孫が来店するケースが増加することも予想され、高齢者に優しい売場づくりが求められてくるでしょう。具体的には、車いすで通れる幅の通路、バリアフリー、手すりの設置などが挙げられます。少子高齢化の対策は「少子」と「高齢化」をセットで考える必要があるはずです。
さて、貴店は外部環境の変化をどのように捉え、どのように活かしていますか?
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