気温が変わったら服装を変えるように、外部環境が変わったら商売の仕方も変える必要があります。そこで、小規模事業者持続化補助金へ応募する際に作成する計画書へ、外部環境の変化に関する適切な内容を盛り込み、それに対応する計画を作成すると妥当性が高まり、採択の可能性も向上します。
では、当補助金に採択されたカフェの経営者は、外部環境をどのように捉え、記載したのでしょうか。今回のコラムでは、様式2<経営計画>の「2.顧客ニーズと市場の動向」の「市場の動向」にフォーカスしていきます。なお、当コラムの内容は2020年6月1日時点の情報に基づいています。
1.持続化補助金「市場の動向」の書き方
(1)まずは抜き出す
前回のコラム「小規模事業者持続化補助金に採択!テイクアウトカフェの事例③ 」で述べたように、まず同店の経営者が思いつくまま、ランダムに書いてこられた「2.顧客ニーズと市場の動向」の内容のうち「市場の動向」に関することを抜き出すと、以下の結果となりました。
①トラディショナルコーヒー、スペシャリティーコーヒーの需要が増えている。
②中食へ顧客が流れる傾向にあり、テイクアウトの需要が増えている。
次に市場の動向として、これら①②を述べることが妥当なのかどうか、また、本当に増えたと言えるのか裏付けを検証する必要があります。
(2)内容の妥当性を検討する
まず上述の「①トラディショナルコーヒー、スペシャリティーコーヒーの需要が増えている」を検証しますが、コーヒーと言っても、自宅で飲むものもあればカフェで飲むものもあり、缶コーヒーもあればインスタントコーヒーもあります。よってカフェである同店が把握するべきことは、コーヒーに対する需要ではなく、喫茶に対する需要の方が妥当性があります。
「総務省統計局家計調査 」をもとに喫茶代の年間支出額(2人以上の世代)と世帯主の年齢別喫茶代家計支出額をまとめると以下となります。
2017年は全体的に前年よりも減りましたが、2018年は前年よりも増えています。その中で着目したいのは、上表の赤字部分、29歳以下と40代は一貫して増加している、ということです。
そこで、この傾向を踏まえた戦略が必要となるため、この層が好む事業展開を行うべきということになりますが、前回のコラムで顧客ニーズを洗い出しました。それらのうち、29歳以下と40代が持つニーズがあればそこを集中して攻めていくと効果的ということになります。
(3)業界団体データを活用する
次に、「②中食へ顧客が流れる傾向にあり、テイクアウトの需要が増えている」の裏付けを検証します。「中食 市場規模」で検索すると一般社団法人日本総菜協会が発行した2019年版総菜白書が見つかります。
これを見ていくと下図の掲載があり、中食の市場規模は約10年前に比べて20%以上の伸びを示していることが分かります。
これを示すことにより、上述の「②中食へ顧客が流れる傾向にあり、テイクアウトの需要が増えている」の説得力が高まります。業界団体は市場規模に関する統計データをインターネットで公表していることが多いので、活用をお勧めします。
今回のコラムでは、市場の動向として外部環境を述べる場合は、述べようとしていることが妥当であるかどうか、そして裏付けがあるかどうか、という点を述べました。これらを意識して説得力を向上させていきましょう。
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