経営理念の検討、多面的な目標設定、高所大所からのプラン策定により、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。
小規模事業者持続化補助金「整体院」採択のポイント
小規模事業者持続化補助金を活用して、ホームページ・店頭看板の作成費用を調達するために、ある整体院の経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。
今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<経営計画>内の「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。
見出しの妥当性を検討する
同院が当欄に予め書いてこられた内容を拝見すると【目標数値】【今後の事業計画】という2つの見出しがありました。ですが、当欄は「経営方針・目標と今後のプラン」を記載する欄です。よって、素直に見出しを設けるなら、【経営方針】【目標】【今後のプラン】となり、このように変更していただきました。
書かれてきた内容を整理する
上述の見出しに変更した上で、事前に書かれてきた内容の中で重複する部分を削除するなど整理をすると概ね以下の内容となりました。
【経営方針】
現在の主要顧客である高齢者に対して、より良いサービスを提供し、顧客数を増加させる。
【目標】
月間売上高20万円増
【今後のプラン】
・Facebook、Twitter、ブログを使った情報発信の継続
・詳細な当院の情報を掲載したホームページの開設
・店頭に大型看板を設置
この【今後のプラン】に関しては、SNSなどでの情報発信、ホームページの開設、看板の設置それぞれによる効果も書かれていましたが、ホームページと看板は補助金を使った事業(補助事業)なので、その効果は<補助事業計画>の「4.補助事業の効果」に移動していただきました。
このようにしてまとめたこれらの内容をブラッシュアップしていきます。
この機会に経営理念を検討する
同院は、当時創業8年目でしたが、経営理念を検討した形跡がありませんでした。せっかく経営方針を検討するのですから、併せて経営理念も検討していただきました。
経営理念は「自院はなぜ存在しているのか」という問いに対する応えです。そのような存在意義を問われた時に即答できる姿勢にブレのない強さが宿ります。また、良い経営理念は以下の3つの条件を満たしているものです。
①社会貢献の雰囲気があるか(社会に役立とうとしているか)
②成長性を感じられるか(社会に役立ち続けようとしているか)
③戦略・戦術が窺えるか(どのように役立ち続けようとしているか)
これらを踏まえつつ、経営理念を策定していただき、それに基づいた経営方針を検討していただきました。
利益目標・定性目標も検討する
同院は売上高目標を記載していますが、売上が増えても利益が増えなければ意味がありません。そこで利益額・利益率目標も検討していただくとともに、数値で表すことの出来ない目標(定性目標)がないか、こちらも検討していただきました。
プランには時間軸と高所大所の視点を盛り込む
【今後のプラン】に時間軸を盛り込んでいない計画書は本当に多いです。計画書に「いつまでに」を記載しないと単なるタスクリストになってしまいます。
また、高所大所から事業展開を考えて今後のプランを検討する必要があります。この際の切り口としては、「人」「物」「金」「情報」からなる経営資源の充実を切り口としてお勧めしています。以下はそれぞれの例です。
「人」つまり人的資源の充実:人脈の拡大、研修受講、人材募集・雇用など
「物」つまり物的資源の充実:設備導入、施設改装など
「金」つまり財務的資源の充実:資金調達、金融機関との連携
「情報」つまり「情報的資源」の充実:発信する情報の内容、媒体
参考までに同院が【今後のプラン】に記載してきた内容は「情報的資源」ということになります。
このようにして<経営計画>の「4.経営方針・目標と今後のプラン」をブラッシュアップしていきました。次回のコラムでは<補助事業計画>を見ていきます。
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