持続化補助金の採択を目指す計画書の書き方⑤

小規模事業者持続化補助金

 小規模事業者持続化補助金【一般型】の様式2-1<補助事業計画>には、補助金を使って何を行うのかを記載しますが、ここの内容をしっかり訴求できないと、補助金が何に使われるのか、またどんな効果を見込んでいるのか伝わりにくくなってしまいますので、結果として採択の可能性が低くなってしまいます。

1.持続化補助金の採択を目指す計画書「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方

 当サイトでは、小規模事業者持続化補助金に応募するべく事業者様が作成した計画書について、採択されるレベルにブラッシュアップしていった事例を多数ご紹介していますが、それぞれの事例におけるブラッシュアップのポイントは、ほとんど共通しています。

 当コラムでは、その共通点をご紹介していきますが、今回は下図の赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①<補助事業計画> Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方におけるポイントを見ていきます。なお、当コラムの内容は2020年8月20日現在の情報に基づいています。

小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際の作成書類(原則)

持続化補助金の採択を目指す計画書「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方(1)複数の補助事業は切り分けする

 ホームページとチラシの作成、さらには店舗改装を今回の補助事業として実施したいなど、複数の補助事業を展開したいというケースは往々にして目にします。この場合、説明すべき補助事業の内容は「ホームページとチラシと店舗改装」ではなく「ホームページ」「チラシ」「店舗改装」であるという意識が必要です。

 このように切り分けをしないで、複数の補助事業内容をまとめて述べようとすると、文章が冗長になりがちで、読み手に内容が伝わりにくくなるリスクを高めてしまいます。

持続化補助金の採択を目指す計画書「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方(2)具体的に書く

 補助金応募時におけるルールブックの役割を果たす公募要領ですが、小規模事業者持続化補助金の公募要領「審査の観点」というページで着目したいのは、下図の赤枠で囲んだ「補助事業計画は具体的で」という部分と「創意工夫の特徴があるか」という部分です。

 まず「具体的」について見ていきますが、具体的に書くために弊社では、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)で構成される5W1Hの活用をお勧めしています。

 ホームページとチラシの作成、さらには店舗改装を今回の補助事業として実施したい場合、「ホームページとチラシと店舗改装」の5W1Hを記載するのではなく「ホームページ」の5W1H、「チラシ」の5W1H、「店舗改装」の5W1Hを記載することで具体性の向上が期待できます。

持続化補助金の採択を目指す計画書「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方(3)創意工夫の特徴を書く

 前述した公募要領「審査の観点」には「創意工夫の特徴」というキーワードがあります。これは、自社なりに補助事業に対してどんな工夫をするのかという説明を盛り込む必要があるということです。

 これは、日本初や業界初といった工夫ではなく、自社なりの工夫というレベルで十分でしょう。述べ方としては、前述の5W1Hの中で「なにを(What)」の記載に含めることも一考であり、この場合、それが「創意工夫の特徴」であることを示した方が分かりやすいでしょう。例えば以下のような形です。

 なにを行うのか:経営者が自社の差別的優位性を説明した動画を盛り込んだホームページの作成(赤文字が創意工夫の特徴)

持続化補助金の採択を目指す計画書「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方(4)強みを活用する方向で書く

 「ホームページがないからそれを立ち上げたい」という考え方は、無いものを補完するという観点であり、弱みを克服する方向です。これに対して「自社の強みをより多くの方に伝えるためにホームページを立ち上げたい」という考え方は、強みを活用する方向です。

 その弱みがどうしても克服しなければならないものであれば、その克服が必要ですが、そうでなければ強みの活用の方が効果は出やすいと言えるでしょう。弱みの克服はマイナスの領域からのスタートですが、強みの活用はプラスの領域からのスタートであるからです。

 今回のコラムでは、様式2-1<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方として、(1)複数の補助事業は切り分けする、(2)具体的に書く、(3)創意工夫の特徴を書く、(4)強みを活用する方向で書く、をご紹介しました。これよりも前の項目についての書き方は以下のリンクを参考にして下さい。なお、次回のコラムでは「4.補助事業の効果」について見ていきます。

2.当コラムの解説動画

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