「補助事業の効果」として、補助事業以外の内容は省き、多面的かつ詳細に記載することで、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。
1.採択の可能性を高める「鍼灸接骨院」計画書の書き方
小規模事業者持続化補助金を活用して、広告などに関する費用を調達するために、ある鍼灸整骨院の経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。
今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<補助事業経営計画>内の「4.補助事業の効果」として記載された内容を見ていきます。
(1)内容を整理する
同院が事前に書かれてきた内容を整理すると概ね以下の内容になりました。
①新聞折り込みチラシによる売上増加分 ○○円
②パンフレットによる売上増加分 ◎◎円
④美容ゼミ・健康ゼミによる売上増加分 △△円
⑤スポットライトの設置により、店舗周辺の明るさが確保され、前面道路通行者の安全が確保されるとともに、犯罪の抑制にもなる。
これらをブラッシュアップしていきます。
(2)多面的に検討する
補助金の財源は税金であり、公的な資金ですから、可能な限り多方面に効果が及ぶことが望ましく、そのような補助事業は採択される可能性が高まります。そこで、切り口として活用をお勧めしたいのが「自店の効果」「顧客の効果」「地域社会の効果」です。
同院が予め記載してこられた内容を見ると「自店の効果」は厚く書いておられますが、「顧客の効果」の記載は見当たらず、「地域社会の効果」が1つのみとなっています。
「顧客の効果」としては、品質の高い施術ができる鍼灸整骨院の存在を知ることができる、当院の施術により、美容や健康が維持・向上しやすくなる、などが挙げられるでしょう。
「地域社会の効果」としては、スポットライトの設置以外に着目すると、健康が増進され医療費が削減される、元気で働ける高齢者が増え、消費活動が活発になる、といったこともあるのではないでしょうか。
(3)「補助事業」の効果を
同院が予め記載してこられた内容には、④として、美容ゼミ・健康ゼミによる売上増加分が盛り込まれています。ですが、これらゼミの開催は補助金を使うものではないので、補助事業ではありません。あくまでも「補助事業」の効果を記載する必要があります。
(4)詳細に検討する
「③WEB活用による売上増加分」という記載がありますが、小規模事業者持続化補助金で広告費を調達した鍼灸整骨院の事例⑥で見たとおり、同院はWEBの活用について「検索エンジン対策の実施」、「リスティング広告の実施」、「ランディングページの作成」に切り分けています。
よって、補助事業の効果に関しても、「WEB活用による売上増加分」とまとめないで、この3つの取組みそれぞれの売上増加分を示すと説得力が向上するでしょう。
ここまでの内容は以下のように表にまとめると、思考がすっきりするとともに、読み手にも伝わりやすくなるはずです。
このようにして「4.補助事業の効果」をブラッシュアップしていただきました。整骨院は、一般の方からしてみると整体院や接骨院とどう違うのかが分からず、また、美容やリラクゼーションに進出する院は、エステティックサロンやリラクゼーションサロンとの差別的優位性もしっかりアピールする必要があるなど、広告による訴求力が特に問われる業態です。
今回のコラムでご紹介した事例を参考にして、小規模事業者持続化補助金で多くの方へ貴院の差別的優位性を訴求していただければと思います。
2.当コラムの解説動画
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