専門用語の取り扱いに注意し、信憑性を高める記述を盛り込み、一貫性を意識することで、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。
1.小規模事業者持続化補助金「エステサロン」採択のポイント
小規模事業者持続化補助金を活用して、情報発信に関する費用と店舗改装費を調達するために、あるエステティックサロンの経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。
今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<経営計画>内の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の後半部分を見ていきます。
(1)内容を整理する
同店が事前に書かれてきた内容を拝見すると「自社の強み」と「自社の提供する商品・サービスの強み」に切り分けて書かれていました。このように切り分けることは内容が整理され、読みやすくなりますが、「自社の提供する商品・サービスの強み」を整理すると概ね以下の内容となりました。
【提供する化粧品の強み】
①当店で取り扱っている○○は自然治癒力を高める「生薬」の和漢植物を配合している。
②当店で取り扱っている△▽は特許を取得している美白有効成分を配合している。
③当店で取り扱っている□◇は、肌の細胞を増やし、内側から元気にする和漢植物エキスを配合している。
【提供する健康食品の強み】
①当店で取り扱っている●●は、コラーゲンの生み出す力を高める働きをもつ和漢植物について開発され、加齢変化予防についての特許を取得している。
②当店で取り扱っている▲▲は、野菜の力のみでコレステロールを下げる効果があり、特定保健用食品として認定され注目を集めている。
【提供するサービス(施術)の強み】
①フェイシャルマッサージは西洋式の筋肉やリンパに働きかけるマッサージと、東洋式のツボを刺激するマッサージを組み合わせたオリジナルスタイルである。
②パックタイムの10分間を利用して、脚の付け根にある「そけいリンパ節」まで働きかける医療機器でフットマッサージを実施している。
③その日の肌の状態に合わせ、マッサージ、パック、オプションメニューを組合わせたオーダーメイドのお手入れを提案している。
これらをブラッシュアップしていくこととなります。
(2)専門用語の取り扱いに注意する
【化粧品の強み】【健康食品の強み】において「和漢植物」というキーワードが3回出てきますが、そのような専門用語に詳しい方が必ずしも読み手になるとは限りません。読み手にとって難解な専門用語に出会った場合、ネットでその意味を調べてくれる方であれば良いのですが、読み飛ばしてしまう方が多い印象があります。
よって、誰にでも分かる言葉で記載するか、専門用語の注釈を盛り込む必要があります。なお、「誰にでも分かる」は「小学5年生でも分かる」というレベルをお勧めしています。また、専門用語の注釈に専門用語を使っているケースがありますが、これは避けなければいけません。
(3)信憑性を高める
前々回のコラム小規模事業者持続化補助金で集客力を高めたエステサロンの事例②で市場動向の根拠を盛り込むことで説得力が高まることを述べました。
今回の場合は【化粧品の強み】【健康食品の強み】ともに特許に関する記述がありますが、市場動向と同様に根拠を盛り込むことをお勧めします。具体的には特許番号を記載すると良いでしょう。
(4)一貫性を意識する
前回のコラム小規模事業者持続化補助金で集客力を高めたエステサロンの事例③でみたとおり、同店は【人的資源の強み】として、提案に関する内容を2つ盛り込んでいます。ところが先ほど見たように【サービス(施術)の強み】の③にも提案に関する内容があります。
「提案できるスキルがある」とした場合は【人的資源の強み】になりますし、「提案に基づく高い品質の施術」とした場合は【サービス(施術)の強み】となります。この際のポイントは、提案をスキルとするのであれば、他の提案も含めて全て人的資源の強みにするべきであり、提案を施術の付加価値とするのであれば、他の提案も含めて全てサービス(施術)の強みとするべきです。つまり一貫性を意識して、読み手を混乱させないようにする必要があります。
このようにして、様式2-1<経営計画>内の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」のうち「自社の提供する商品・サービスの強み」をブラッシュアップしましたが、次回はについて見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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