小規模事業者持続化補助金で新規顧客を開拓した美容室の事例④

小規模事業者持続化補助金

 見出しを設けること、目標を丁寧に設定すること、具体的な行動を示すことで小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。

1.小規模事業者持続化補助金「美容室」採択のポイント

 小規模事業者持続化補助金を活用して、店舗のバリアフリー化と洋服や小物類販売に関する費用を調達するために、ある美容室の経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。

 今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<経営計画>内の「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。

(1)書かれてきた内容を整理する

 事前に書かれてきた内容の中で重複する部分を削除するなど整理をした結果、概ね以下の内容となりました。

 ①低価格店の出店が多い中、価格ではなく、顧客一人一人に向き合う丁寧さと各年代に合った流行を提供していきたい。

 ②どんな年代の方でもおしゃれをしたい気持ちがあることを念頭に置き、ショッピングや美容室に出かけることが難しい方にも楽しんでいただける美容室にしたい。

 ③現在20%の顧客が70〜80歳代であり、その方達の高齢化の進展とともに、在宅や病院での施術も視野に入れている。

 ④1年後の目標:チラシ配布により顧客数10%増

 ⑤5年後の目標:来店が困難な顧客が、自宅や施設でもおしゃれな雰囲気でカット出来るような持ち運び用の美容室セットを作る

 ⑥本年9月までに近くのデイサービス施設や病院、子育て支援広場にチラシを置かせてもらう。

 以上の内容をブラッシュアップしていきます。

(2)見出しを設ける

 上述の①は語尾が「していきたい」、同じく②は「したい」となっており、方針のようでもあり、目標のようでもあります。

 当欄は「経営方針・目標と今後のプラン」を記載する欄ですので、「経営方針」「目標」「今後のプラン」という見出しを設け、①や②が方針なのか目標なのかを分かるようにすると意図が伝わりやすくなります。

(3)目標を丁寧に設定する

 上述の④と⑤は目標であることが示されていますが、④は1年後の目標、⑤は5年後の目標であり、2,3,4年後の目標が抜けています。各年度の目標設定が困難であれば、せめて1,3,5年後の目標は設定する必要があるでしょう。

 また、1年後に客数を10%アップとしていますが、5年後の目標において、客数に関する記載が無いことから、2年後以降は客数増加をどう考えているのかという疑問が湧きます。そこで、各年度の客数に関する目標も記載していただきました。

(4)具体的な行動を記載する

 上述の⑥は「今後のプラン」であることが想定されます。これを実施することにより、④に掲げた目標達成を狙っていることが分かりますが、⑤に掲げた目標はどのような行動で達成する予定なのかが見えません。

 「今後のプラン」を記載する際は、目標との関連を意識し、具体的な行動を示す必要があります。当然のことながらいつその行動を起こすのかという時間軸も設けなければ「プラン」と呼ぶことはできないでしょう。

 このようにして、様式2-1<経営計画>内の「4.経営方針・目標と今後のプラン」をブラッシュアップしました。次回のコラムでは<補助事業計画>を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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