新型コロナウイルスの影響で客数減少に見舞われたある飲食店が、小規模事業者持続化補助金に採択され、これを活用して逆境に立ち向かった事例をご紹介するシリーズの2回目は、様式2-1「1.企業概要」の書き方について見て行きます。
1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像
小規模事業者持続化補助金に応募する際は、以下の書類を作成し(単独事業者の場合)、締め切り日までに送付する必要があります。
様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
様式3-1 補助事業計画書②
様式4 事業支援計画書
様式5 補助金交付申請書
このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。
2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像
今回は、様式2-1を見て行きますが、その構成は以下となっています。
<応募者の概要>
<経営計画>
<補助事業計画>
3.<経営計画>の全体像
今回は、様式2-1の<経営計画>を見て行きますが、その構成は以下となっています。
1.企業概要
2.顧客ニーズと市場の動向
3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
4.経営方針・目標と今後のプラン
4.「1.企業概要」の書き方
今回の事例では「1.企業概要」として以下の項目を設けました。
(1)沿革
開業からこれまでに至る27年間の営業の中でどのようなトピックがあったのかを示しました。同店は何度か移転をしていましたので、それがメインの内容となりました。
なお、この「沿革」の前に、飲食店としての特徴やメニューを掲載し、読み手がイメージを湧きやすくするようにしました。
(2)立地
「立地」に関しては、2枚の地図と1枚の写真を盛り込みました。同店は○○県●●市に立地していますので、1枚目の地図は、○○県の地図を掲載し、その中で●●市はどの辺りにあるのかが分かる地図、2枚目の地図は、●●市の地図を掲載し、その中で当店はどの辺りにあるのかが分かる地図です。
そして、同店の外観写真を盛り込みました。これでリアリティはある程度高まったと思います。
(3)客層と売上状況
本来であれば、全国商工会連合会や日本商工会議所が公表している下記記入例に従って売上総額、利益総額の大きい商品ベスト5の表を盛り込みたかったのですが、同店は単品管理を行っておらず、この表を作成することが困難な状況でした。
そこで、経営者の肌感覚をもとに、ランチタイムと居酒屋タイムそれぞれの1日あたりの売上高、平均客単価、1日あたりの客数を一覧表にしてまとめました。これを新型コロナウイルスの影響が及ぶ前と及んだ後の2パターンで作成し、盛り込みました。
このようにして、「1.企業概要」を記載しましたが、売上総額・利益総額の表が作成できないのであれば、それ以外の何を使って読み手にリアリティを訴求するかがポイントとなります。
なお、次回のコラムでは、同店における様式2-1の「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方を見ていきます。
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