新型コロナウイルスの影響で客数減少に見舞われたある飲食店が、小規模事業者持続化補助金に採択され、これを活用して逆境に立ち向かった事例をご紹介するシリーズの5回目は、様式2-1「4.経営方針・目標と今後のプラン」の書き方について見て行きます。
1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像
まずは、全体像を把握します。単独で事業者が小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締め切り日までに送付する必要があります。
様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
様式3-1 補助事業計画書②
様式4 事業支援計画書
様式5 補助金交付申請書
このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。
2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像
今回は、様式2-1を見て行きますが、その構成は以下となっています。
<応募者の概要>
<経営計画>
<補助事業計画>
3.<経営計画>の全体像
今回は、様式2-1の<経営計画>を見て行きますが、その構成は以下となっています。
1.企業概要
2.顧客ニーズと市場の動向
3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
4.経営方針・目標と今後のプラン
4.「4.経営方針・目標と今後のプラン」の書き方
今回は<経営計画>の「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見て行きますが、弊社では当欄を「経営方針」、「目標」、「今後のプラン」に切り分けることをお勧めしています。今回の事例もそのような切り分けを行いましたが、それぞれの内容は以下の通りです。
(1)経営方針
経営方針は経営の方向性ですが、これを定めるに当たり弊社では「当社は何のために存在しているのか」という問いに対する答えである、経営理念を定めることをお勧めしています。つまり、存在意義を決めてから、方向性を定めましょうということです。
例えば、経営理念として「お刺身で世の中を明るくする」を掲げている飲食店が、今後の方向性を「ステーキの提供を充実させる」としていたら違和感を覚えます。経営理念は自社の意思決定における拠り所ですので、この機会に定めていただき、それも当欄に記載した上で、経営方針を示しました。
(2)目標
本来、目標は数字で表すことのできる定量的なものであるべきと弊社は考えています。それは、達成率が分かるからです。達成率が分かれば、効果的な打ち手が検討しやすくなります。
ですが、単に掲げただけの目標では意味がありません。同店の経営者は、定量的な目標を描くことができませんでした。反面、自店をどんな店舗にしたいかというイメージ、つまり定性的な目標は持っておられましたので、今回はそちらだけを記載しました。
(3)今後のプラン
今後の計画を検討する際には、人・物・金・情報という経営資源をどのように充実させていくかという観点から検討するとまとめやすくなります。同店の場合は、金、つまり財務的資源を充実させる行動は見当たりませんでしたが、それ以外の行動として以下を記載しました。
①人的資源を充実させる行動
・採用基準の明確化
・OJTマニュアルの整備
・募集・採用
②物的資源を充実させる行動
・店舗拡張工事(補助事業)
・店内レイアウト変更
・店内換気・空気循環設備の導入
③情報的資源を充実させる行動
・新聞折込実施(補助事業)
・店内POP追加(補助事業)
・ホームページ立ち上げ
・SNSによる情報発信
これらの行動を縦軸に、横軸に3年の時間軸をとった表を作り、いつ何をするのかを示しました。そしてこれらの行動のうち、補助金を使って実施する「補助事業」に関して、様式3-1「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」で詳しい説明を記載していきました。次回のコラムではこの内容を見ていきます。
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