前回のコラム持続化補助金「コロナ特別対応型」計画書の書き方①では、基本的な3つの類型を見てきましたが、これに金額が上乗せされる特例があります。今回のコラムでは、採択される計画書を書く前提として、この特例である事業再開枠と特例事業者、そして概算払いについて見ていきます。
1.事業再開枠
(1)事業再開枠とは
公募要領によると、事業再開枠とは「事業再開に向け、業種別ガイドライン等に照らして事業を継続する上で必要最小限の感染防止対策を行う取組について補助するもの」とあり、原則として50万円が別枠で交付されます。
この公募要領の文面に沿って見ていきますが、まず「ガイドライン」とは「政府や団体が指導方針として示す、大まかな指針・指導目標」です。公募要領に記載の「業種別ガイドライン」とは業種(業界)ごとに、感染拡大予防を行うために行政が策定した方針と捉えて良いでしょう。
なお、具体的な業種別ガイドラインは以下のリンクを参考にして下さい。https://corona.go.jp/
(2)事業再開枠の対象経費とは
事業再開枠では「必要最小限の感染防止対策を行う取組」が対象ですが、具体的には以下の支出が対象となります。
- 消毒液などの「消毒費用」
- マスクやフェイスシールドなどの「マスク費用」
- 手袋やゴミ袋などの「清掃費用」
- アクリル板や透明ビニールシートなどの「飛沫対策費用」
- 空気清浄機などの「換気費用」
- トイレ用ペーパータオルや体温計などの「その他衛生管理費用」
- 感染防止対策を訴求するポスターなどの「PR費用」
新型コロナウイルスの感染防止対策としての支出について、かなり広い範囲がカバーされている印象です。
(3)遡及申請
補助金は通常、採択が決まり、補助金の交付が決定された後の支出が補助対象となりますが、上記の「事業再開枠」の対象費用のうち、消耗品に関しては、2020年5月14日以降補助対象期限までに購入及び使用したもの、つまり交付決定前に支出したものも補助対象経費となります。
補助対象期限は、次回の締め切り(第4回受付締切の2020年10月2日)に応募し、採択されたとすれば、2021年7月31日となります。この場合、受払簿(フォーマットは自由)を作成して、購入日、購入量、使用日、使用量などを管理する必要があります。
(4)事業再開枠の申請額
冒頭でお伝えしたとおり、事業再開枠は補助金交付額と別枠で上限50万円となっています。ですが、コロナ特別対応型として交付される額を超えてはいけないことになっています。
つまり、小売店がネット通販を強化するべく、40万円のホームページを立ち上げ、事業再開枠の50万円を申請するのは、補助金交付額40万円を上回っているため認められないということです。
2.特例事業者
小規模事業者持続化補助金コロナ特別対応型において、特にクラスター対策が必要と考えられる業種を特例事業者と呼び、小規模事業者持続化補助金コロナ特別対応型の補助上限額に50万円が加算されます。
具体的な特例事業者は以下の通りです。
- スポーツジムなどの屋内運動施設
- バー、ライブハウス
- カラオケボックスなど個室にカラオケがある施設
- キャバクラなど接待を伴う飲食店
3.概算払い
ここまでをまとめると、小規模事業者持続化補助金コロナ特別対応型のB、C類型として採択された補助対象経費が134万円だとしたら、4分の3の約100万円が補助金交付額(補助上限額)であり、それに事業再開枠と特例事業者に当てはまるとしたらそれぞれ50万円、合計100万円が上乗せされるため、事業再開枠に該当する消耗品費の支出を除くと34万円で200万円が補助されるということになります。
通常の補助金制度は、交付決定額を事業者が立替えて、事業期間終了後に行政から入金される仕組みですが、特例事業者であっても、そうでなくても補助金交付額は前年同月の売上高から20%以上低下していれば、コロナ特別対応型と事業再開枠について、半額を限度に事前に補助金が支払われます。これを「概算払い」と呼んでいます。
なお、今回(2020年10月2日第4回締切分)からインターネットで応募が可能となりましたが、この場合、概算払いは利用できない取り決めとなっています。
これらの特例は、いつまで設けられるか分かりませんが、新型コロナウイルスの影響が無くなれば当然無くなっていくはずです。よって、該当する事業者は、このような機会を存分に活かしていただきたいと思います。次回以降では、実際にコロナ特別対応型として採択された事例をご紹介します。
4.当コラムの解説動画
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