販路開拓等の取組内容に関する説明は具体的であればあるほど、採択に近づくと言えるでしょう。店舗改装の必要性を感じ、その資金の一部を小規模事業者持続化補助金で調達した美容室の経営者は、どのようにして採択されるレベルの計画書を作成したのか、そのプロセスを紹介するシリーズ、5回目の今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<補助事業計画>の「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。
なお、当コラムの内容は2020年6月18日現在の情報に基づいています。
1.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方
(1)「審査の観点」を意識する
事前に同店経営者が当欄に書いてこられた内容は以下のようなものでした。
①現在、グレーの外装になっているが、多くの顧客から当店のイメージにそぐわないとの意見がある。
②外装を顧客の求める「美」のニーズにマッチするような、清潔で明るく入店しやすいイメージにし、新規の顧客獲得につなげたい。
③具体的には、外壁の塗り替え、樹木の設置、入口の改装を実施したい。
この内容をブラッシュアップしていくわけですが、この際に、公募要領に記載の下図「審査の観点」の赤枠部分を意識することとなります。
(2)具体性の高め方とは
この具体性を考える場合に、何について具体的に書くべきなのかを検討する必要があります。同店の場合は、上記③にある【外壁の塗り替え】【樹木の設置】【入口の改装】それぞれを具体的に書くべきです。
そこで、それぞれについて「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」の5W1Hを明確にして、具体性を高めます。
前述①の「現在、グレーの外装になっているが、多くの顧客から当店のイメージにそぐわないとの意見がある」、②の「外装を顧客の求める『美』のニーズにマッチするような、清潔で明るく入店しやすいイメージにし、新規の顧客獲得につなげたい」は、【外壁の塗り替え】【樹木の設置】【入口の改装】それぞれを実施する理由、つまり5W1Hの「なぜ(Why)」に対する答えです。
ただし、これらはかなり一般論的な内容ですので、なぜ【外壁の塗り替え】が必要なのか、【樹木の設置】が必要なのか、【入口の改装】が必要なのか、今一歩踏み込んで検討したいところです。さらに、この「なぜ(Why)」以外の4W1Hに対する答えも明確にしていきます。
(3)「創意工夫の特徴」を盛り込む
また、5W1Hを明確にしていく中で、自店なりに工夫したところを盛り込んでいきます。これは、「審査の観点」の下図赤枠部分を意識したものです。
【外壁の塗り替え】であれば、使う色の選択基準をどう工夫したのか、【樹木の設置】であれば、その樹木はどのような工夫を持たせたものなのか、【入口の改装】であれば、その改装にどのような工夫を凝らしたのか、といった点です。とてつもない工夫である必要はなく、自店なりの工夫を記載しましょう。
このようにして、「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」をブラッシュアップしていきました。これに続く「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記載ですので解説はせず、次回のコラムでは「4.補助事業の効果」から見ていきます。なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。
小規模事業者持続化補助金で店舗改装費を調達した美容室の事例④
小規模事業者持続化補助金で店舗改装費を調達した美容室の事例③
小規模事業者持続化補助金で店舗改装費を調達した美容室の事例②
小規模事業者持続化補助金で店舗改装費を調達した美容室の事例①
2.当コラムの解説動画
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