ホテル内で繁盛する飲食店が差別化対策として心がけていること

戦略の考え方

ホテル内の飲食店が提供する付加価値

 仕事柄、全国各地へ出張で伺うことが多いのですが、ほとんどの場合、宿泊が伴います。そして、出張先での楽しみの一つに、現地の美味しいものを食べることがあります。

 宮城県仙台市のあるホテルに宿泊したときのことです。多くのホテル同様、朝食はバイキング形式でした。置かれている料理は、サラダや卵料理、焼き魚、といったごくごく普通のメニュー料理でした。
 しかし、そのサラダに使われている野菜や、その卵料理に使われている卵は、当日の朝に採れた物でした。また、焼き魚は目の前でスタッフが焼いたものを提供していました。採れたての新鮮なもの、焼きたての熱々のものですから、非常に美味しかったことを覚えています。

 また、兵庫県姫路市のあるホテルに宿泊したときのことです。夕食をそのホテル内のレストランでいただくこととしました。思いの外、お酒が進み、5,000円程度の会計になったと思います。会計を終え、部屋に戻ろうとすると女将さんが「たくさん食べて、たくさん飲んでくれてありがとうございました」とにこやかにお見送りをしてくれて、何だか嬉しかったことを覚えています。

小さな差別化で大きな価値を提供する

 上記2つの事例は、当たり前のもの・ことに付加価値をつけることにより、当たり前のもの・ことを当たり前にしていないという好事例です。

 ホテルの朝食に、サラダ、卵料理、焼き魚が出てくるのは、当たり前のことなのかもしれません。しかし、その当たり前の食材は、採れたてのもの、焼きたてのものと、当たり前ではない素材、状態で提供しています。

 会計を済ませた顧客に「ありがとうございました」と言うのは、当たり前のことなのかもしれません。しかし、その当たり前の言葉に、なぜありがたいと思ったのか、という理由を付け加えることにより、当たり前のお礼ではないお礼にしています。

 この当たり前のもの・ことに付け加えられる価値が付加価値です。付加価値により、当たり前のもの・ことが当たり前でなくなります。そして、その付加価値が大きければ大きいほど、高価格設定ができたり、顧客の感動を呼び起こしたりすることができ、客単価やリピート率の向上に繋げることが可能となります。

 さて、貴店では、当たり前のもの・ことを当たり前にしないために、どのような付加価値をつけることができるでしょうか?

 付加価値をつけた事例としては以下の記事も参考にしてください。
 繁盛店の特徴とは
 価格競争を回避するには

メルマガ会員様募集中

 メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓

お探しのページが見つかりません。

電子書籍のご案内

 1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円