現在管理職のあなたは、アルバイトや一般社員時代、こんなことを考えたことはありませんか?
「仕事なんて、お金を稼ぐためのものでしょ?」
このように、仕事の意義を理解していない若いスタッフは少なくありません。仕事の意義とは、仕事をする価値や目的のことです。これを認識することは、モチベーションや生産性を高めることにつながります。よって、管理職はスタッフに仕事の価値を認識させることで、職場の活性化を通じ、業績の拡大が期待できます。
そこで、この記事では、経営理念の策定と浸透を通して、仕事の意義を認識していただく方法をご紹介します。ぜひ、この記事を参考にして、自社にふさわしい経営理念を作り、浸透させてください。
■仕事の意義を認識させる方法
以前こちらの記事で、私がガソリンスタンドの店長だった頃、クリスマスイブの夜間のシフトに入ってくれるスタッフが極端に少なかったことを述べました。これは、恋人がいないのに見栄を張って休むスタッフが多かったことが原因です。
当時の私は、クリスマスイブに休みを希望するスタッフに対して、仕事の意義を説くことで、出社の動機付けをしようとしましたが、効果はほとんどなく、仕事の意義は、本人が納得できるものでなければ意味がないという教訓を得ました。
この仕事の意義は、本人に気付かせることの他に、会社が経営理念を定めることも有効な方策と言えます。経営理念は「自社は何のために存在しているのか」という問いの答えであり、自社の仕事の意義を定めたものとも言えるためです。
また、経営理念を策定するだけでなく、浸透させるべきであることは、以下の調査結果で明らかになっています。
■経営理念の浸透に関する調査結果
コンサルティング企業の(株)リスキーブランドが、2015年6月に実施した調査によると、全体の約70%の企業に経営理念があり、全体の27%弱の企業は経営理念が浸透しているという結果が出ました。そして、経営理念が浸透していない企業の約4分の1は赤字であることも明らかとなりました。
この調査結果は、個人的に非常に腹落ちができます。というのも、私が勤務していたガソリンスタンドの運営会社は、形ばかりの経営理念がありましたが、ほとんど浸透していませんでした。そして、その会社は現在、存在していないためです。
では、よい経営理念とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、ゲーム開発企業の面白法人カヤックの代表であり、自称「理念オタク」の柳澤大輔氏が選んだ良い経営理念を挙げてみます。
■良い経営理念の事例
前述の柳澤氏は、良い経営理念の条件として以下を挙げています。
- 成長性を示唆していること
- 理念から戦略&戦術のヒントがあること
- 社会に貢献するものであること
これらを踏まえて、良い経営理念の事例をいくつか示しておられますが、その中から抜粋してみます。
- 株式会社サイバーエージェント
「21世紀を代表する会社を創る」 - キリン株式会社
「飲みもの」を進化させることで、「みんなの日常」をあたらしくしていく。 - 株式会社バーグハンバーグバーグ
がんばるぞ - アマゾンジャパン株式会社
地球上で最もお客様を大切にする企業であること - 株式会社ポケモン
ポケモンという存在を通して、現実世界と仮想世界の双方を豊かにすること - 株式会社 鳥貴族
焼鳥で世の中を明るくする - 株式会社壱番屋
ニコニコ・キビキビ・ハキハキ
では、経営理念の策定と浸透の具体的な方法について、ガソリンスタンドの例を挙げながら見ていきます。続きは以下の記事の有料部分からご覧ください。