その美容室は70代の代表が一人で切り盛りしていましたが、エステやネイルの施術ができる娘さんを後継者として新たに入店させるとともに、他の美容室で働くお孫さんも入店することとなりました。
美容室でエステやネイルの施術ができれば、ワンストップで髪も肌も爪も綺麗にすることができ、利便性が高まります。そこで、店内を仕切り、ヘアーとエステ・ネイルそれぞれの施術場所を確保するために店舗改装をすることにし、その費用を小規模事業者持続化補助金で賄うために娘さんが計画書を作成しました。
弊社は、当該補助金における採択可能性を高めるべく、その計画書のブラッシュアップをご支援しました。結果として同店は、無事採択されましたが、どのようにブラッシュアップしたのか、複数回にわたってご紹介します。
第5回目の今回は、様式2-1<補助事業計画>の「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」について見て行きます。
1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像
まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締め切り日までに送付する必要があります。
- 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
- 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
- 様式3-1 補助事業計画書②
- 様式4 事業支援計画書
- 様式5 補助金交付申請書
このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。
2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像
今回は、様式2-1を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- <応募者の概要>
- <経営計画>
- <補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容
3.<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容の全体像
今回は、様式2-1の<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- 補助事業で行う事業名
- 販路開拓等(生産性向上)の取組内容
- 業務効率化(生産性向上)の取組内容
- 補助事業の効果
ここまでをまとめると、今回のコラムでは下図の赤枠で囲んだ部分を見て行くことになります。
なお、当コラムでは「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから、説明は割愛しています。
4.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方
(1)読みやすさを意識する
1,815文字。事前に同店が当欄に書かれてきた文章量です。原稿用紙約4.5枚分の文字が並んでいることになります。表や図、箇条書きは一切使われていませんので非常に読みにくい印象です。
弊社では、当欄をいつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)から構成される5W1Hでまとめることをお勧めしています。その理由は、下図公募要領の「審査の観点」に具体性に関する記述があるからです(赤枠部分)。
この5W1Hを表にまとめると非常に読みやすくなり、読み手の理解も進みます。
(2)書くべきところに書く
事前に書かれてきた1,815文字の中には以下の内容の記述がありました。
①後継者が取得しているエステ・ネイルに関する資格について
②送迎サービスを行っていること
③肌や爪に負担の少ない材料を使って効果を向上させていく
①②は同店の強みであり、<経営計画>の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に書くべき内容です。また、③は同店の方針であり、やはり<経営計画>の「4.経営方針・目標と今後のプラン」に書くべき内容です。
さらに、エステやネイルのメニュー構成、ポイントカードやポスティングの実施に関する内容も盛り込まれていました。ですが、当欄は補助金を使って行う事業、つまり補助事業の内容を記載する欄です。
店舗改装に補助金を使うわけですから、その内容を詳しく具体的に記載するべきであり、店舗改装を行った後の展開は副次的に記載するべきと言えるでしょう。
このようにして「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」をブラッシュアップしていきましたが、次回のコラムでは様式2-1<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容の「4.補助事業の効果」を見て行きます。
5.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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