持続化補助金<一般型>に採択された計画書を公開!その書き方とは? ⑥

小規模事業者持続化補助金

 弊社が小規模事業者持続化補助金<一般型>を活用してホームページの全面リニューアルを検討し始めたのは2019年のことでしたが、業務に追われてなかなか手をつけることができないでいました。

 そんな中、2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大したため、いわゆる「3密」を避けるためにセミナーや講演といった仕事が軒並み中止・延期となり、時間がとりやすくなりました。

 そこで、2020年10月2日(第3回受付)締切りの当補助金を活用するべく、計画書を作成し、申請したところ、無事採択され、ホームページのリニューアルに要する資金の一部を調達することができました。

 この結果を受け、弊社がどのように計画書を作成したのかを自慢にならないように気をつけながらご紹介します。当サイトでは、当補助金に申請された100を超える事業者様の事例をご紹介してきましたが、弊社のことを弊社がご紹介するわけですから、計画書自体も可能な範囲で公開するなど、かなり赤裸々な内容を記載できることになります。

 下図は当補助金に申請する際に、原則として作成しなければならない書類の一覧ですが、今回は前回のコラムに引き続き、赤枠部分「様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①」<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年1月18日時点の情報に基づいています。

1. 持続化補助金<一般型>に採択された計画書を公開!その書き方とは?【経営方針・目標と今後のプラン編その1】

持続化補助金<一般型>に採択された計画書を公開!その書き方とは?【経営方針・目標と今後のプラン編その1】(1)当欄を切り分ける

 当欄は「経営方針・目標と今後のプラン」の記載が求められていますが、これらをまとめて記載しようとすると、内容が混在し、冗長になりがちです。結果として読み手に内容が伝わりにくくなり、審査で高得点が見込みにくくなることから、採択が遠のいてしまうリスクが高まります。

 よって、切り分けが必要なわけですが、これは当欄に限った話ではありません。これまで「様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①」<経営計画>の各欄について見てきましたが、それぞれ以下の切り分けを行っています。

企業概要
 (1)沿革、(2)売上・利益の大きいサービス、(3)売上・利益の大きい顧客

2.顧客ニーズと市場の動向
 (1)顧客ニーズ
  ①既存顧客のニーズ、②今後弊社が開拓していく顧客のニーズ
 (2)市場の動向
  ①競合動向、②ロードサイド店舗の動向

3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
 (1)「診る」スキルの強み、(2)「話す」スキルの強み、(3)「書く」スキルの強み

 当欄においては、そのタイトルを素直に反映させて(1)経営方針、(2)目標、(3)今後のプランという見出しを設けて切り分けを行いました。

持続化補助金<一般型>に採択された計画書を公開!その書き方とは?【経営方針・目標と今後のプラン編その1】(2)経営理念に基づく経営方針を記載する

 まず、経営方針を記載するわけですが、この際に経営理念を踏まえる必要があると考えました。経営理念は自社がなぜ存在しているのかという問いに対する答え、つまり自社の存在意義です。「なぜ存在しているのか」という問いに対して即答できる企業は事業に力強さが宿るでしょう。

 個人的に好きな経営理念に、株式会社でん六さんの豆を究め、喜びを創るがありますが、同社の経営方針が「新製品として衣料品を製造する」というものであったとしたら、「豆を究める」という同社の経営理念と経営方針にブレが生じることになります。

 「方針」をネット辞書でひくと「ある事をするのに当たって定めた、その行動や処置の方向・原則」と表示されます。例えば売上高は客数と客単価の掛け算で求められますから、その目標を達成するために、客数を向上させていく方針なのか、客単価を向上させていく方針なのか、ということです。

 この経営方針を定める際に、そもそも経営理念があるということ、そして経営理念に則った方針であることを訴求して、経営方針の高い妥当性を伝えたいと考え、弊社では経営理念とともに経営方針を記載しました。

 今回は「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方をご紹介してきましたが、その内容を実際に申請した計画書とともにまとめると以下になります。

 今回のコラムでは上記2点をお伝えしましたが、次回のコラムは今回に引き続き「様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①」<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」のうち「目標」と「今後のプラン」の書き方について見ていきます。なお、弊社の計画書を紹介しているこれまでのコラムは以下となります。

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小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本