忙しい経営者
先日、今年3月にご面談をした経営者と2回目のご面談をしました。本来は4月にご面談をする予定だったのですが、人材の面で多忙を極めた結果、とうとう体調を崩され、日程が6月にずれ込んでしまいました。
事業は、人・物・金・情報という経営資源を用いて展開をしますが、そのうち、人と金の問題に悩む経営者が多いと思います。具体的には、人がいない、いたとしても任せることのできる人がいない、売上が上がらず来月の支払いができるかどうか不安、といった悩みです。
これらの悩みは、目の前の仕事をこなさなければならない、目の前の支払いをしなければならない、という短期的視点から生まれていることに気付かなければなりません。
とはいえ、目の前の問題を無視するわけにはいきませんので、応急処置的な対応はしなければなりませんが、根本的な問題を潰さなければ同じような問題は再発することとなります。
夢を見出す30の質問
短期的な問題を引き起こす根本的な問題を潰すには、経営者の視点を短期的なものから中長期的なものに転換する必要があります。そのために、中長期的なビジョンを設定するべく、この経営者に以下の質問を投げかけました。
1.今、一番行きたいところはどこですか?
2.今、一番欲しいものは何ですか?
3.今、何をしている時が一番楽しいですか?
4.今、一番会いたい人は誰ですか?
5.小学校の時になりたかった職業は?
6.学生時代に最も熱中したことは何ですか?
7.生まれ変わったらどんな職業に就きたいですか?
8.憧れの人物を挙げてください。
9.つい買ってしまう本のジャンルは?
10.家族・友人・お金・地位・名誉を大切な順に並べてください。
11.一日があと1時間だけ長くなるとしたら、どんな風に過ごしますか?
12.何か、人に習ってみたいことは何ですか?
13.「自分にこんな能力があったら・・・」と思ったことはありますか?
14.これまでの人生で何かを諦めた経験を教えてください。
15.最も長く続けていることは何ですか?
16.一番大切な人は誰ですか?
17.その人に何かを残したいですか?
18.その人にしてあげたいことは何ですか?
19.解決したい悩み事はありますか?
20.本当はやりたいのに、どうあがいても自分には出来ないことがありますか?
21.死ぬまでに「これだけはやっておきたい」ことは何ですか?
22.今日が地球最後の日だとわかったら何をしますか?
23.葬儀の日、参列した人はあなたのことを「どんな人だった」と言っているでしょうか?
24.家族に言っておきたいことはありますか?
25.他人からどんな人だと思われたいですか?
26.自由にできる1,000万円があったら何に使いますか?
27.人生において一番の宝物は何ですか?
28.やり残しているな、と思うことはありますか?
29.人生最良の日を教えてください。
30.ところで、あなたの夢は何ですか?
これらの質問は健康食品通販の株式会社やずやが考え出した質問で、私は、クライアントにいつでも投げかけることができるように、PCに入れて持ち歩いています。
目の前の悩みを乗り越える
さて、上記の質問を投げかけられた経営者の目が輝き出したのは、15個目の質問をしたあたりからでしょうか。表情が明るくなり、「20.本当はやりたいのに、どうあがいても自分には出来ないことがありますか?」で語った内容が自分の夢であることに気付くことができました。
面談当初は、ちょっと儚げだった表情が、力強い表情に変わり、目の前の問題に立ち向かっていく決意が感じられました。
目の前の仕事をこなすための問題は、マイナスの状況のマイナス幅を縮めるためのものです。これに対し、夢を叶えるための問題は、ゼロからプラスの状況を作り出し、プラスの幅を大きくしていくためのものです。
夢を持った経営者、つまり中長期的な視点を持った経営者は、地面に根を張った大樹のように、目の前の問題に振り回されない強さがあるのです。
メルマガ会員様募集中
メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓
電子書籍のご案内
1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円