1.【経営革新計画】人材不足を解消して売上アップを目指す! 自動車整備工場の事例紹介
■経営革新計画とは
同社は、創業して50年以上が経過し、2代目経営者が現場を仕切る自動車整備工場です。人材が不足しており、それを理由にお仕事の依頼を断ることもあり、この機会損失をいかに防ぐかという点が、経営課題のひとつとして挙げられました。
これについて、地元商工会に相談する中で、経営指導員に勧められ、経営革新計画の策定に取り組むことにしました。中小企業が、新しい事業を立ち上げる際に作成する計画を経営革新計画と言います。この計画内容が、都道府県の審査を通過すると、販路開拓や資金調達などのメリットがあります。
特に販路開拓については「都道府県知事に認められた計画に基づく事業です」といった告知が可能となり、売上に大きな効果を及ぼした事例が続出しています。
なお、経営革新計画の制度について、詳細は以下のリンクをご覧ください。
今回の記事では、同社が経営課題を踏まえ、どのようにして新しい事業を見出していったのか、ご紹介していきます。新商品や新サービスの開発以外の方策で新規事業を見出したい方の参考になると思います。
■同社の強みと弱みの分析
同社は、路上における車両の故障・脱輪、鍵の閉じ込めなど幅広いロードサービスに対応できる強みを有しています。一方で、前述のとおり、人員不足であることから、ロードサービスの依頼が立て込むと対応ができなくなるという弱みがありました。
同社はこれらを踏まえて、以下の新しい事業を見出し、経営革新計画の承認を取得しました。
■新しい事業の内容
経営革新計画のテーマを検討する際には「強みの活用」を優先的に考えることが、効果を高めると言えます。ですが、同社が持つ幅広いロードサービスの提供力という強みを活用するためには、人材確保という「弱みの克服」が必要でした。そこで、経営革新計画では、人材を確保し、社内体制を整備することで、機会損失を無くして、収益性を向上することを新しい事業としました。
そこで、①既存人材の退職防止、②募集、③採用、④早期離職の防止、⑤育成、という各ステップの充実化を図ることとしました。以降で各ステップの内容を説明していきます。
①既存人材の退職防止
まず、これ以上、人材不足を深刻化させないために、既存人材の退職を防止する必要があります。この方策としては、従業員満足の構成要素である「標準化」「能力開発」「モチベーション」に取り組むこととしました。
同社は、標準化は経営理念、能力開発はOJT、モチベーションは動機付け要因がポイントと捉えました。それぞれの内容は以下のリンクを参考にしてください。それぞれの内容は以下のリンクを参考にしてください。
②募集
既存人材の退職防止と同時に、新規人材の入社を促進させるために、募集を行います。同社が経営革新計画で採った募集策は以下を参考にしてください。
③採用
応募を経て、採用面接をしますが、確実に面接に来たいただく方策と、効果的な面接の方策も経営革新計画に盛り込みました。これらは以下を参考にしてください。
④早期離職の防止
入社しても早期に離職されてしまっては、そこまでにかけた労力が無駄になってしまいます。そこで、同社は経営革新計画に早期離職を防止する以下の内容を盛り込みました。
■まとめ
これら4つのステップを経たら、また最初のステップに戻り、従業員満足を向上させ、定着率を高めていくことになります。同社の経営革新計画は、強みを活用するための弊害を除去するという考え方から、テーマ設定をしたものです。このように社内体制の整備も経営革新計画のテーマとなり得ますので、参考にしてみてください。
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