新型コロナウイルス感染症の影響で発出された緊急事態宣言が終わり、多くの飲食店は通常営業に戻ったため、人材の争奪戦が繰り広げられており、思うように人材が確保できず、結果として人材不足が解消できない飲食店が多くなっています。
そこで今回のコラムでは、人材の流動性が高いガソリンスタンドの現場に長年身を置いた後に、経営コンサルタントとして多くの企業を見てきた経験を踏まえて、新規スタッフの採用において確実に面接を行うための対策を見ていきます。
なお、確実な面接を行って人材不足を解消する前提として、以下のコラムに示したを踏まえるとより効果的ですので、参考にして下さい。
1.確実に面接を行うための対策
(1)店頭で募集告知をする
アルバイトを探している方が、ネットで貴店の募集告知を見つけたとします。この場合、即応募するわけではなく、約半数の方が事前に店舗の様子を見に来ることが分かっています。
多くの場合、顧客を装って来店するはずですが、この時に、店頭にスタッフ募集の告知がなかったとしたら、本当にスタッフを募集しているのか不安を抱くものです。その不安は、他の店舗に応募しようかという心変わりに繋がるリスクがあります。
冒頭に述べたように、今は人材の争奪戦が繰り広げられているわけで、どこもかしこもスタッフを募集していますから、応募を検討している方が貴店に不安を抱くと、簡単に他店へ応募しようとします。これを防止するには、店頭で募集告知をして要らぬ不安を抱かせないことが重要です。
(2)その場でアポを取る
仕事を探している方が「ネットで募集を見つけ、店舗を見に行ったらやはり募集告知をしていた。働いている方々も良い感じの人なので募集してみようかな。」という心理的プロセスを経て、貴店に応募したい旨、電話をしたとします。
その際に「新規スタッフの募集担当は店長なんすけど、今いないんで後で電話させますね。電話番号は?」と返されたとしたら、気持ちが萎えてしまいます。それは、やはり他店への応募を検討するリスクが高まってしまいます。
そこで、店長がいてもいなくても、誰が電話をとっても、面接の日時を決めることができるように、面接日程の一覧表を作成し、既存スタッフに周知しておくことが必要です。つまり、その場でアポがとれるようなスピード感が重要ということです。
(3)面接に来たくなるようにする
アルバイト応募の問い合わせがあり、面接の日時を決めたものの、当日になって面接に現れない応募者は相当数います。これは、体験してみると分かりますが、人材不足に喘ぐ店長や既存スタッフにとって、やっと働き手が見つかるかもしれないという期待が打ち砕かれるため、非常にダメージが大きいものです。
そこで、ある飲食店では予め決めておいた面接日の前日に「明日○○時の面接、よろしくお願いします。面接の際は、コーヒーかお茶を準備するのですが、どちらがよろしいですか?」と電話をするようにしました。
単なるリマインドではなく、ドリンクの気遣いをするこの電話をするようになってから、面接をすっぽかされるケースが激減しました。この電話、結果としてリマインドをしているわけですが、「忘れないでくださいね」という意味合いだけのメッセージよりも温かみがあり、これが効果を発揮したと考えられます
今回のコラムでは、効果的な面接を行って人材不足を解消する対策として(1)店頭で募集告知をする、(2)その場でアポを取る、(3)面接に来たくなるようにする、を挙げました。次回のコラムでは、今回の内容を踏まえて面接時に実施するべき効果的な質問について見ていきます。
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