持続化補助金で新製品開発と広告宣伝を実施した鞄店の事例①

小規模事業者持続化補助金

 同店は、関東圏内で鞄・バッグの製造と販売をしていますが、新製品を開発してラインナップを拡げるとともに、販路拡大のためにパンフレットを作成したいと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達しようと、応募用の計画書を作成しました。

 弊社は、この計画書をブラッシュアップする支援を行い、当補助金に応募した同店は採択されました。今回のコラムは、同店が作成した持続化補助金応募用の計画書をどのようにブラッシュアップしたのか、そのポイントを見て行くシリーズの1回目です。

 以下は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際に作成する資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画>「1.企業概要」について見ていきます。

 なお、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。

1.「企業概要」の書き方

(1)見出しを設ける

 同店が予め記載してこられた内容を拝見すると、同欄には商品の写真が盛り込まれており、一部を箇条書きにするなど読みやすさを工夫しておられました。ですが、気になったのは見出しが一切なかったことです。

 新聞は見出しがないと読まれることはないと言われますが、見出しがあるとそこに何が記載されているのか、全体像を把握することができ、読みやすさが格段に変わってきます。

 同店の記載内容は「沿革に関すること」「商品に関すること」に切り分けられましたので、【創業までの道のり】【創業から現在まで】【取扱商品】という3つの見出しを設けていただきました。

(2)経営者の写真を盛り込む

 経営者の顔が見える計画書は、その計画書を作成した方もしくはその計画を推進していくリーダーの顔が見えるということですから、計画書のリアリティが高まる効果が期待できます。よって、経営者の写真を盛り込んでいただきました。

 この写真は、証明写真のようなかしこまったものよりも、接客中など仕事をしている際のものの方が、よりリアリティが高まるでしょう。

(3)店舗の地図を盛り込む

 店舗ビジネスにとって重要なポイントのひとつに立地があります。そこで、同店の立地が分かるような地図を盛り込んでいただきました。この地図は、同地に縁もゆかりもない方が見ても分かるようにすることが望ましいと考えています。

 具体的には、自店が立地する都道府県の場所が分かる日本地図、自店が立地する自治体の場所が分かる都道府県の地図、自店の場所が分かる自治体の地図、といった形で複数枚の地図を盛り込むことが望ましいわけですが、計画書の制限枚数(一般型で8枚、低感染リスク型ビジネス枠で5枚)を超えないように気を付けましょう。

(4)収益状況について記載する

 日本商工会議所、全国商工会連合会では、持続化補助金に応募する方向けに記載例をいくつか公開していますが、下表は「1.企業概要」の記載例に盛り込まれているもので、上はカフェの例、下は海鮮居酒屋の例です。

 このように売上・利益の一覧表を盛り込むことは、対象事業者の取扱商品、売れ筋、事業規模などが分かりやすいことから、今回の事例企業にもこれを盛り込んでいただきました。

 このようにして同店は、「1.企業概要」をブラッシュアップしましたが、次回のコラムでは「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします

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