同店は、関東圏内で鞄・バッグの製造と販売をしていますが、新製品を開発してラインナップを拡げるとともに、販路拡大のためにパンフレットを作成したいと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達しようと、応募用の計画書を作成しました。
弊社は、この計画書をブラッシュアップする支援を行い、当補助金に応募した同店は採択されました。今回のコラムは、同店が作成した持続化補助金応募用の計画書をどのようにブラッシュアップしたのか、そのポイントを見て行くシリーズの5回目です。
以下は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際に作成する資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書① <補助事業計画> Ⅰ.補助事業の内容 「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」について見ていきます。
なお、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。
1.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方
同店が事前に記載されてきた内容を拝見すると、当欄に【新製品開発】【パンフレット作成】と見出しを設け、補助事業を切り分けて記載していました。このように説明することは、内容が整理されるので読み手の理解が深まりやすくなりますが、ブラッシュアップしていったポイントは以下の3つです。
(1)記載するべきことを記載するべき場所に記載する
同店は【新製品開発】として概ね以下の内容を記載していました。
バッグブランドとして何より新製品の開発がポイントであると考えますので、今後は外部デザイナーとの提携、バッグ素材の新開発を行っていく予定です。特に、バッグ素材として評判の良い○○県の伝統工芸織物である●●をさらにバッグに最適の素材とするために、生地の厚みやデザインなどの再検討をしていきたいと考えています。
これは、「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」と言えないことはありません。ですが、当欄は<補助事業計画>を構成する欄であり、これを読んで何に補助金を使うのかは全く把握できないわけで、補助事業の説明としては物足りなさが否めません。
さらに、この内容は「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」というよりは、今後、事業をどう進めていくかという「経営方針」ということができます。そこで、上記の内容は<経営計画>の「4.経営方針・目標と今後のプラン」に設けた【経営方針】という見出しの下へ移動していただきました。
女性が振り袖を着てジムでトレーニングをしていたとしたら、端から見ると違和感があるはずです。ジムにはジムにふさわしい格好があることと同様に「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」欄には、そこにふさわしい内容を書かないと、読み手は違和感を抱き、そこから発生する混乱が内容の理解を妨げ、採択を遠ざけてしまいます。
(2)公募要領の「審査の観点」を意識して記載する
補助金には様々なものがありますが、それぞれの補助金には応募のルールブックである「公募要領」が公表されており、そのほとんどにはどのような観点から審査されるのかという「審査の観点」というページがあります。小規模事業者持続化補助金<一般型>の公募要領にある「審査の観点」は以下となっています。
このうち赤枠で囲んだ部分が当欄における審査の観点と解釈できますが、そのうち下線部分「補助事業計画は具体的」「創意工夫の特徴があるか」を意識して、以下のように記載をしていただきました。
(3)具体的かつ創意工夫の特徴を記載する
まずは、具体的に書く必要がありますので、【新製品開発】【パンフレット作成】それぞれについて、いつ(When)・だれが(Who)・なにを(What)・なぜ(Why)・どこで(Where)・どのように(How)実施するのか、という5W1Hを明確にして記載していただきました。
特に【新製品開発】については「どのように(How)」を明確にしないと読み手には伝わりにくいので、この点は詳しく記載していただきました。次に、自店なりに【新製品開発】【パンフレット作成】それぞれについてどのような創意工夫をしたのかを記載していただきました。
このようにして同店は、前回のコラムでご紹介した「4.経営方針・目標と今後のプラン」に引き続き、<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」をブラッシュアップしましたが、次回のコラムでは「4.補助事業の効果」を見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
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