同店は、関東圏内で鞄・バッグの製造と販売をしていますが、新製品を開発してラインナップを拡げるとともに、販路拡大のためにパンフレットを作成したいと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達しようと、応募用の計画書を作成しました。
弊社は、この計画書をブラッシュアップする支援を行い、当補助金に応募した同店は採択されました。今回のコラムは、同店が作成した持続化補助金応募用の計画書をどのようにブラッシュアップしたのか、そのポイントを見て行くシリーズの6回目です。
以下は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際に作成する資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書① <補助事業計画> 「4.補助事業の効果」について見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年8月18日時点の情報に基づいています。
また、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。
1.「補助事業の効果」の書き方
同店が事前に記載されてきた内容を拝見すると、下表のように縦軸に【当店の効果】【顧客の効果】【地域の効果】を置き、横軸に補助事業である【新製品開発】【パンフレット作成】を置き、それぞれの効果を記載していました。これは補助事業の効果が一目瞭然となるため、非常に良いと思いました。
この内容をブラッシュアップしていったポイントは以下の3つです。
(1)顧客の効果を記載する
上表を盛り込んだことは非常に良いのですが、【顧客の効果】が空欄になっていました。つまり形は整えたものの内容が思いつかない状況に陥っていました。この場合、形を変えることも一考ですが、同店には【顧客の効果】を考えていただきました。
この際に基本となるのは、顧客が自店の強みを享受できるという考え方です。例えば「新製品開発によって、より洗練されたバッグを手に入れることができる」、「パンフレット作成によって、より自店のコンセプトについて理解を深めることができる」などです。このようにして同店は【顧客の効果】を検討し、その内容を記載しました。
(2)売上高や利益の見込みを記載する
補助金の財源は税金ですから、補助金を交付することによって、収益を向上させて納税額を増加させることができる事業者が採択されやすいと言えます。よって、収益向上の根拠を数字で示すことができれば説得力が高まりますので、補助事業の実施によって売上高や利益がどの程度増加する見込みなのかを記載していただきました。
ちなみに、計画書の読み手はいくつもの計画書を見てきていますので、そこに記載された数字がきちんとした計算に基づくものなのか、何となく書いたものなのかは判断がつく点に留意したいところです。
(3)専門用語は使わない
同店はパンフレット作成による【自社の効果】として、パンフレットから自店のホームページやSNSへ誘導することによりPVやUUがどの程度増加する見込みなのかを記載していました。
この書き方は、PVやUUが何を意味するのかが理解できない読み手に対しては不親切な書き方と言えます。弊社では「小学校5年生でも分かる内容」の記載をお勧めしており、これらの言葉が何を意味するのかを記載していただきました。
ちなみに、PV(ページビュー)はWebサイトが閲覧された回数、UU(ユニークユーザー)はWebサイトを訪問した人の数を表します。
このようにして同店は、前回のコラムでご紹介した<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」に引き続き、「4.補助事業の効果」をブラッシュアップしましたが、次回のコラムでは様式3-1補助事業計画書②【経費明細表・資金調達方法】を見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
3.メルマガ会員様募集中
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4.電子書籍のご案内(2021年3月22日発行)
小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本