同店は、関東圏内で鞄・バッグの製造と販売をしていますが、新製品を開発してラインナップを拡げるとともに、販路拡大のためにパンフレットを作成したいと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達しようと、応募用の計画書を作成しました。
弊社は、この計画書をブラッシュアップする支援を行い、当補助金に応募した同店は採択されました。今回のコラムは、同店が作成した持続化補助金応募用の計画書をどのようにブラッシュアップしたのか、そのポイントを見ていくシリーズの7回目、最終回です。
以下は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際に作成する資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式3-1補助事業計画書②【経費明細表・資金調達方法】の中の「経費明細表」について見ていきます。
なお、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。
1.「経費明細表」の書き方
同店が事前に記載されてきた内容を拝見したところ、下図赤枠部分のブラッシュアップが必要でした。
具体的なブラッシュアップの内容は以下の通りです。
(1)必要な経費区分のみ記載する
上図の赤枠部分「(1)経費区分」には以下13個のいずれかをエクセルのプルダウンメニューから選択する必要があります。
なお、プルダウンメニューの使い方は下図内、青色の吹きだしを参考にしてください。
同店が補助事業で使用したい経費区分は「④旅費」「⑤開発費」「⑥資料購入費」「⑬外注費」ですが、同店は「①機械装置等費」から「⑬外注費」まで13個の費目を列挙しており、使う予定のない経費区分欄は空欄にしていました。よって、使う予定のない経費区分は記載せず、使う予定のある経費区分のみを残していただきました。
(2)具体的な内容を記載する
次に上図経費明細表の赤枠部分「(2)内容」ですが、同店は、「⑤開発費」の内容として「新製品開発費」とだけ記載していました。ですが、これだけでは何に経費を使うのかが不明です。新製品を開発するための材料を買うために使うのか、デザインを外注するために使うのか、新製品開発のための費用は多岐にわたります。よって、何に使うのか具体的に記載していただきました。
(3)必要理由を記載する
さらに、上図経費明細表の赤枠部分「(3)必要理由」ですが、同店は全ての経費区分について、必要理由を記載していませんでした。
例えば「⑤開発費」で内容を「新製品試作用の材料」とした場合に、その理由は「より素材感を向上させたバッグを作るため」なのかもしれませんし、「地元産の材料消費を促し、地域活性化に寄与するため」なのかもしれません。この、必要理由が書かれていない例は非常に多いので、気を付けたいところです。
「(2)内容」が具体的ではなく、「(3)必要理由」が書かれていないということは、読み手は何になぜ使うのかが解らないことになります。こういう書き方は、浮気を疑う妻と同じで、読み手にしてみると実に怪しく感じるわけで、ポジティブな結果を得る可能性は低くなってしまいます。
このようにして同店は、前回のコラムでご紹介した<補助事業計画>「4.補助事業の効果」に引き続き、様式3-1 補助事業計画書②「経費明細表」をブラッシュアップして、結果として採択されました。
同店が事前に記載されてきた内容は「記載するべきところに記載するべき内容が記載されていない」点が非常に目立ちました。この点は、計画書作成において非常に多く見受けられますので、留意して採択を目指していただければと思います。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
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