当時、創業6年目を迎えようとしていたそのバーは、集客力を向上させるためにフリーペーパーへ広告の出稿をしたいと考えました。そこで小規模事業者持続化補助金でその資金を調達するべく、当該補助金応募用の計画書を作成しました。
このバーの経営者は採択の可能性を向上させるべく、弊社へどのようにして計画書のブラッシュアップをするべきかとご相談され、結果として採択されました。そこで、このバーの採択に至るブラッシュアップのプロセスをお伝えしていきます。
以下は、小規模事業者持続化補助金へ応募する際の一般的な提出書類ですが、今回は下図赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「4.補助事業の効果」について見ていきます。
1.「補助事業の効果」の書き方
「カルチャー教室を告知するフリーペーパー広告への出稿」「その参加者に配布する優待券の作成」を補助事業とする同店が事前に記載されてきた内容は、概ね以下となっていました。
①カルチャー教室開催により、既存顧客からの紹介を得ることが期待できる。また、新規顧客に対しては、来店促進のきっかけづくりになる。
②ドリンク一杯無料の優待券を配布することにより、1優待券あたり3名以上の来店が見込める。
③フェイスブックやツイッターなどで当店をシェアしていただいた方に、次回ワンドリンクサービスのクーポン券配布を行う。
(1)「補助事業」の効果を書く
①でカルチャー教室開催の効果を記載していますが、同店の補助事業のうち、カルチャー教室に関する事業は「カルチャー教室を告知するフリーペーパー広告への出稿」です。よって広告出稿による効果を記載する必要があります。
その上で、カルチャー教室開催の効果を付随的に記載するのは構わないと思いますが「補助事業の効果」という本質的な記述を省かないようにしていただきました。
(2)「補助事業ではない事業」の効果は書かない
③でSNSを活用した顧客獲得の施策を記載していますが、これ自体は補助事業ではありませんので書く必要性がありません。もし書くとしたら、カルチャー教室の告知や優待券で集客した顧客を起点としたさらなる集客力強化といったトーンで、補助事業と絡めて記載する必要があります。
(3)自店以外の効果も書く
同店は、補助事業による自店の効果のみを記載しています。ですが、自店の売上を得るには、顧客へ与える効果が必要であることから、同店が「カルチャー教室を告知するフリーペーパー広告への出稿」「その参加者に配布する優待券の作成」という補助事業を実施することにより、顧客はどのような効果を得ることができるのかを記載していただきました。
また、補助金の財源は税金であることから、同店に交付される補助金には、同店を利用しない方の税金も含まれている可能性があります。そのような方に対する納得度の高い説明として、地域社会へ及ぼす効果も記載する必要があります。
具体的には、以下の例が挙げられます。
- 補助事業で同店を利用する顧客が増えることにより、雇用が発生する。
- 補助事業で同店の収益性が向上することにより、納税額が増加する。
- 補助事業で同店を訪れる方が増えることにより、近隣の店舗での消費が増加する。
このようにしてブラッシュアップした計画書で応募したところ、無事採択されました。同店が作成して来られた計画書の特徴として、書かなくても良いことが数多く記載されていましたので、何をどこに書くべきかという点を強く意識していただいた点がブラッシュアップのポイントと言えるでしょう。
当シリーズのバックナンバーです。
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