その美容室は70代の代表が一人で切り盛りしていましたが、エステティックの施術ができる娘さんが後継者となるとともに、他の美容室で働くお孫さんが入店することとなりました。
美容室でエステの施術ができれば、ワンストップで髪も肌も綺麗にすることができ、利便性が高まります。そこで、ヘアーの施術場所とエステの施術場所を仕切るために店舗改装をすることにし、その費用を小規模事業者持続化補助金で賄うために娘さんが計画書を作成しました。
弊社がその計画書のブラッシュアップに関してご支援をした結果、無事採択されましたが、どのようにブラッシュアッップしたのか、複数回にわたってご紹介します。第1回目の今回は、様式2－1＜経営計画＞の「1．企業概要」について見て行きます。
1．小規模事業者持続化補助金＜一般型＞応募の全体像
まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締め切り日までに送付する必要があります。
- 様式１－１ 小規模事業者持続化補助金事業＜一般型＞に係る申請書
- 様式２－１ 経営計画書兼補助事業計画書①
- 様式３－１ 補助事業計画書②
- 様式４ 事業支援計画書
- 様式５ 補助金交付申請書
このうち、様式２－１と様式３－１が採択に大きな影響を及ぼします。
２．様式２－１ 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像
今回は、様式２－１を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- ＜応募者の概要＞
- ＜経営計画＞
- ＜補助事業計画＞Ⅰ．補助事業の内容
３．＜経営計画＞の全体像
今回は、様式２－１の＜経営計画＞を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- 企業概要
- 顧客ニーズと市場の動向
- 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
- 経営方針・目標と今後のプラン
ここまでをまとめると下図の赤枠で囲んだ部分を見て行くことになります。
４．「企業概要」の書き方
同店が当欄に書かれて来た内容は、大きく分けると以下となっていました。
- 店舗概要（沿革、店舗規模、営業時間、定休日など）
- 写真（店舗内外装、モデル）
- 立地
- メニュー
- 売上総額・利益総額の大きいサービス
これらをブラッシュアップしていきます。
（1）同店ならではの写真を盛り込む
当欄には何枚か写真が盛り込まれていましたが、店舗の内外装の写真はリアリティを訴求する良い材料になると思いました。反面、どこかから拾ってきたのであろうモデルの写真は、同店ならではのものではありません。
美容を提供していることから、美しいモデルの写真を盛り込んだのだと思いますが、写真として使いたいのは経営者やスタッフの写真です。これを用いることにより、店舗の写真同様、リアリティが増加します。
（2）地図を盛り込む
当欄に記載された立地の説明は文章だけを用いたものでした。これに地図を盛り込むとビジュアルに訴求することになり、リアリティも高まります。そこで、同店が立地する市が県内のどこにあるのかが分かる地図、同店が立地する場所が市内のどこにあるのかが分かる地図を盛り込んでいただきました。
（3）売上・利益総額の大きいメニューの整合性をとる
同店が事前に書かれてきた内容には、売上総額の大きいメニューの一覧表、利益総額の大きいメニューの一覧表が記載されていました。これは、下図の記入例を意識した結果だと思いますが、事業規模やその内容が分かりやすいので非常に良いと思います。
そして、同店の売上総額の大きいメニューとして「毛染め、カット、パーマ」の3つが並んでいました。また、利益総額の大きいメニューは「毛染め、カット、店販商品」の3つが並んでいました。
よって、売上総額・利益総額の大きいそれぞれのメニューは、少なくとも「毛染め、カット、パーマ、店販商品」の4つを盛り込むことが可能ということになりますので、作成し直していただきました。 このようにして「1．企業概要」をブラッシュアップしましたが、次回は「2．顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。
5．小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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