同店は絵画をはじめとした美術品が楽しめるギャラリ-と飲食できるカフェスペースが一体となったギャラリ-カフェですが、新型コロナウイルスの影響により、客足が激減してしまいました。
そこで、新たに展示するアート作品を作家に制作していただくとともに、チラシ・ダイレクトメール・看板・ポスター・ホームページなどで広告を行うことにし、その費用の一部について小規模事業者持続化補助金を活用することとしました。
同店は、当補助金に応募する際に提出する申請書を作成しましたが、弊社はそれをブラッシュアップする形でご支援しました。結果として同店は当補助金に採択されましたが、どのように申請書をブラッシュアップしたのかをご紹介します。
下図は応募時に最低限作成しなければならない書類ですが、今回のコラムでは以下の赤枠部分「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。
1.「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方
同店が事前に記載されてきた内容は概ね以下となっていました。
- 経営方針は新規得意先の確保を急ぐこと。
- そのためにはマスコミを始め、多くの方々に興味を与える企画が必要。
- 昨年度、○○県産業振興課の指導を受けて、作家●●氏と◎◎氏の協力を得て、作品を作成し、販売可能となった。
- 販売先は、教育機関やふるさと納税返礼品など。
- 新型コロナウイルス感染症の影響で計画していた全ての展示会が中止となったため、作品は出来上がっているものの、それ以上は進めず、現在は保留状態となっている。
これらをどのようにブラッシュアップしたのかを見ていきます。
(1)申請費用が対象になっているかを再確認する
同店が想定している補助金の使い道のひとつに、新たに展示するアート作品を作家に制作していただくための費用がありますが、前述の③から、同店は既に作家に作品を作ってもらっていることが分かります。
補助金は原則として、過去の支出を対象にしておらず、収益を向上させる計画に則った今後の支出を対象とします。よって、既に作品を制作した作家に対する費用を補助金で賄うことは断念していただきました。
実際問題として、このまま申請をして採択されたとしても、採択後の事務局とのやり取りで削除を求められます。対象となる費用を申請した方が、後ほど削除しなくて済むので限度額一杯まで補助金を使えることになります。
(2)問われていることに答えているか検討する
当欄で問われていることは「経営方針・目標と今後のプラン」ですが、同店が事前に記載されてきた内容からは、目標と今後のプランが読み取れませんでした。そこで、【経営方針】【目標】【今後のプラン】と見出しを設けていただき、それに応じた内容にまとめ直していただきました。
見出しを設けても、その見出しに応じた内容が記載されていなければ意味が無いわけですが、見出しを設けることは、問われていることから逸脱してしまうリスクが軽減できる効果が見込めます。
(3)今後のプランは時間軸を意識する
プランとは計画ですので時間軸が必要です。つまり、いつ何をやるのかが明確になっていて、はじめて計画と言えるわけです。当欄には、今後のプランを掲載する必要がありますが、同店が事前に記載されてきた内容には、時間軸が見当たりませんでした。
そこで、縦軸に何を行うのかという実施事項を、横軸に3年程度の時間軸をとっていただき、いつ何をするのかを明確にしていただきました。
このようにして「4.経営方針・目標と今後のプラン」をブラッシュアップしていきましたが、これ以前の項目に関する書き方については以下のリンクを参考にして下さい。なお、次回は<補助事業計画>について見ていきます。
持続化補助金の採択で立て直しを図ったカフェの申請書作成事例①
持続化補助金の採択で立て直しを図ったカフェの申請書作成事例②
持続化補助金の採択で立て直しを図ったカフェの申請書作成事例③
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
3.メルマガ会員様募集中
メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。登録はこちらから↓↓↓
4.電子書籍のご案内(2020年7月8日発行 定価1,072円)
人口2万人に満たない街で黒字経営を続ける洋食店5つの秘訣