持続化補助金の採択で立て直しを図ったカフェの申請書作成事例⑤

小規模事業者持続化補助金

 同店は絵画をはじめとした美術品が楽しめるギャラリ-と飲食できるカフェスペースが一体となったギャラリ-カフェですが、新型コロナウイルスの影響により、客足が激減してしまいました。

 そこで、新たに展示するアート作品を作家に制作していただくとともに、チラシ・ダイレクトメール・看板・ポスター・ホームページなどで広告を行うことにし、その費用の一部について小規模事業者持続化補助金を活用することとしました。

 同店は、当補助金に応募する際に提出する申請書を作成しましたが、弊社はそれをブラッシュアップする形でご支援しました。結果として同店は当補助金に採択されましたが、どのように申請書をブラッシュアップしたのかをご紹介します。

 下図は応募時に最低限作成しなければならない書類ですが、今回のコラムでは以下の赤枠部分を見ていきます。

 なお、当コラムでは<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容のうち「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから解説を割愛しています。

1.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方

 同店が当欄へ事前に記載されてきた内容は概ね以下の内容となっていました。

作家○○氏の協力を得て開発した新商品を中心とした展示会を新型コロナウイルス感染防止対策実施のもとで開催する。

②これにより、小学生を中心とした教材として利用可能であることが訴求でき、学校教材会社との提携から、新規販路の開拓に繋がる。

③当店のホームページを新たに作成して、新商品は地元産木材の廃材を活用していることを訴求する。

④これにより、お土産やふるさと納税返礼品としての活路が開拓できる。

 この内容をどのようにブラッシュアップしていったかを以下で見ていきます。

(1)書くべきことを書く

 小規模事業者持続化補助金に応募する際に記入する各様式の完成度を高める鉄則は、書くべきことを書くべき欄に書くことです。これを踏まえて、同店が事前に記載されてきた上述の内容を拝見すると、②と④は当欄ではなく「4.補助事業の効果」に記載するべき内容ですので、そちらへ移動していただきました。

 反面、当欄に記載するべき内容が不足しているため、次に示す内容を追加していただきました。

(2)補助事業の説明を満遍なく記載する

 補助金を利用して実施する事業が補助事業ですが、同店が行おうとしている補助事業は、新たに展示するアート作品を作家に制作していただく際の制作料の他に、チラシ・ダイレクトメール・看板・ポスター・ホームページの作成料です。

 ただし、作家にお支払いする制作料は既に支出していますので、補助対象にはなりません。よって、これを削除したていただくとともに、既に記載されているホームページに関する内容以外の事業内容も記載していただきました。

 具体的には、チラシの内容、ダイレクトメールの内容、看板の内容、ポスターの内容、ホームページの内容とそれぞれ切り分けて満遍なく記載していただきましたが、この記載の際に以下の点を意識していただきました。

(3)具体的に記載する

 応募のルールブックである公募要領には「審査の観点」が記載されていますが、その中に「補助事業は具体的で」という記述があります。よって、チラシ・ダイレクトメール・看板・ポスター・ホームページそれぞれの内容について、いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)行うのかという5W1Hを意識して記載していただきました。

 このようにして「4.経営方針・目標と今後のプラン」をブラッシュアップしていきましたが、この前の項目の書き方に関しては以下のリンクを参考にして下さい。なお、次回は<補助事業計画>について見ていきます。

 持続化補助金の採択で立て直しを図ったカフェの申請書作成事例①

 持続化補助金の採択で立て直しを図ったカフェの申請書作成事例②

 持続化補助金の採択で立て直しを図ったカフェの申請書作成事例③

 持続化補助金の採択で立て直しを図ったカフェの申請書作成事例④

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします

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