そのカフェはご夫婦で切り盛りしていましたが、ご主人のスキルを活かして、木工製品をカフェで販売することにしました。そのためには木工製品を陳列する棚を設置する店舗改装の他に、木工製品を製作する機器類が必要でした。
そこで同店は、それらにかかる費用を小規模事業者持続化補助金で賄うために応募用の計画書を作成しましたが、弊社は当該補助金における採択可能性を高めるべく、その計画書のブラッシュアップをご支援しました。結果として無事採択されましたが、どのように計画書をブラッシュアップしたのか、複数回にわたってご紹介します。
第3回目の今回は、様式2-1<経営計画>の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見て行きます。
1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像
まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締め切り日までに送付する必要があります。
- 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
- 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
- 様式3-1 補助事業計画書②
- 様式4 事業支援計画書
- 様式5 補助金交付申請書
このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。
2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像
今回は、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- <応募者の概要>
- <経営計画>
- <補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容
3.<経営計画>の内容の全体像
今回は<経営計画>を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- 企業概要
- 顧客ニーズと市場の動向
- 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
- 経営方針・目標と今後のプラン
ここまでをまとめると、今回のコラムでは下図の赤枠で囲んだ部分を見て行くことになります。
4.「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方
(1)「強み」を定義する
当欄に記載する内容は「強み」です。よって、説得力を向上させるためには、自店なりに「強み」という言葉の定義をして、それに則って「強み」を述べていくことが重要です。参考までに、弊社が定義する「強み」とは「顧客に価値を提供できる、差別的優位性のある経営資源」です。以降では、この定義に沿って解説をしていきます。
(2)顧客へどのような価値を提供しているのか
同店は当欄で、提供するコーヒーなどがインスタ映えすることを述べておられました。ですが、インスタ映えするドリンクの提供により、顧客に対してどのような価値を提供しているのかを考慮することが重要です。
基本的にInstagramに写真を投稿するのは、繋がりのある方々に自身を認めて欲しいという願望があります。それを踏まえると「経営者はアイデアが豊富であり、写真映えするドリンクを提供できるため、顧客はSNSで承認欲求を満たすことができる」という書き方になり、強みとしての妥当性が高まります。
(3)競合とどのような差別的優位性があるのか
同店は当欄で、野菜中心の料理を提供していることを述べておられました。ですが、競合する他店も野菜中心の料理を提供しているとしたら差別的優位性とはなり得ません。よって、前回のコラムで解説したように「市場の動向」として競合の動向を記載する必要があります。
競合の動向として、野菜中心の料理を提供している店舗があるのかどうか、といった記述がないため、当店が野菜中心の料理を提供していることが強みなのかどうか疑わしくなってしまいます。そもそも一般に飲食店で野菜中心の料理を提供することは難しいことではないわけで、競合と比較した差別的優位性は強く意識するべきと言えます。
このようにして「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」のブラッシュアップをしていただきましたが、次回は「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見て行きます。
5.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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