同社は、先代の父から事業を引き継いだ2代目が経営する工務店で、新築住宅やリフォームを提供しています。これまで積極的に営業をしなくても、顧客からのご紹介などにより業績は維持できておりましたが、高齢に伴い自宅を手放す既存顧客が目立つようになり、業績が厳しくなってきました。
そこで、現状を打破するために(1)ホームページの新規立ち上げ、(2)チラシの作成・配布を行うこととし、その費用負担を軽減するために小規模事業者持続化補助金を活用することとしました。そのために同社は計画書を作成し応募をしましたが、結果は不採択となってしまいました。
これを受け、同社は計画書のどこをどのように改善するべきか明らかにするべく、弊社の添削サービスをご利用されました。これにより計画書をブラッシュアップできた同社は、2回目の応募で採択されましたが、当コラムでは、どのように計画書をブラッシュアップしていったのかをご紹介します。
下図は応募時に作成する書類ですが、今回のコラムでは下図の赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「4.補助事業の効果」を見ていきます。
1.「補助事業の効果」の書き方
(1)拡大と効率の両面から検討する
補助金を使うことにより期待できる効果を記載する当欄ですが、売上や利益の拡大という効果を書く事業者が多い印象です。売上が上がり、それに伴い利益が拡大すれば、納税額が増加しますので、補助金という公的資金を使う立場としては、好ましい効果と言えます。
ですが、このような事業拡大化という効果を検討するのであれば、ムダな経費の支出を抑えることができるという事業効率化という効果も検討したいところです。同社の場合、売上・利益の拡大はもちろん記載しましたが、オンラインでの打合せを実施できるホームページを立ち上げるため、移動に伴うコストが削減できるという効率化に関する効果も盛り込みました。
(2)定量と定性の両面から検討する
上記の拡大化・効率化という効果は、数値で表すことのできる定量的な効果です。このような効果が期待できるのであれば、数値で表すことが困難である定性的な効果も検討したいところです。
同社の場合、これまでホームページを保有していなかったため、対面での販路開拓しかできていなかったわけですが、補助事業でホームページを立ち上げることにより、インターネットを経由して全国へ情報が訴求でき認知度が向上することを定性的効果として記載しました。
(3)現状の説明は省く
同社が当欄に書かれてきた内容には、以下のような内容が含まれていました。
現場調査の手順、見積内容・説明、提案・アドバイス等を掲載したホームページやチラシの作成による新規顧客の獲得は自己資金だけでは現状厳しい状態であり…
この内容は、補助事業の効果ではなく現状の説明ですので、当欄に記載する必要はありません。さらにこの内容は、ネガティブな現状を説明しており、強みの強化や訴求による販路開拓を目的とした当該補助金の趣旨に沿ったものではありません。よって削除していただきました。
このようにして、「4.補助事業の効果」をブラッシュアップしていただきましたが、同社の場合は「書くべきところに書くべきことを書けていない」という多くの事業者が陥りがちな罠にはまっていまた印象があります。この点を意識して計画書を再構築したことが採択のポイントだと思いますので、参考にしていただければと思います。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
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