持続化補助金【低感染リスク型】に採択されたコンサルの事例①

小規模事業者持続化補助金

 同社は、主に起業をテーマとした経営コンサルティングを提供しています。新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの方がオンラインでミーティングをしたり、セミナーを受講したりする状況になりましが、同社ではこれを機会と捉えてオンラインのセミナーを提供することとしました。

 その告知に活用するランディングページの作成とweb広告にかかる費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達することとし、計画を作成し、応募した結果、採択となりました。

 下図は、当補助金に応募する際に提出する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、同社が記載した<経営計画>「1.自社の事業概要」から採択のポイントを見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年12月12日時点の情報に基づいています。

1. 持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】採択のポイント(自社の事業概要編)

(1)求められている内容を記載する

 当補助金の計画書フォーマット内「1.自社の事業概要」には以下の但し書きがあります。

※自社の概要や経営状況、課題、特徴、自らが製造・販売・提供している商品・サービスの内容や市場動向等について記載してください。また、自社の経営方針・目標等についても記載してください。

 この但し書きからは、現状のこととこれからのこと、また、現状のことは内部環境と外部環境を記載して欲しいという趣旨が見て取れます。よって、同社は持続化補助金【一般型】のフォーマットを参考に以下の見出しを設けました。

 (1)自社の概要
 (2)売上・利益の大きいサービス
 (3)顧客ニーズと市場の動向
 (4)自社や自社の提供する商品・サービスの強み
 (5)経営方針・目標と今後のプラン

 このように求められている内容を踏まえた見出しの下、それぞれの見出しに応じた内容を記載したことが、採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

(2)ビジュアルに訴求する

 同事業所は「(1)自社の概要」に代表の写真を、「(2)売上・利益の大きいサービス」にはそれらをまとめた一覧表を、「(3)顧客ニーズと市場の動向」には対象顧客へのアンケート結果をまとめたグラフと競合の一覧表を盛り込んでいました。

 このように図表を計画書に盛り込んでビジュアルに訴求することは、リアリティや読みやすさが向上する効果が期待できます。読み手は自社の事業内容に興味も関心もない方である可能性が高いことから、自社の計画書をきちんと読み込んで理解していただくために、このビジュアルに訴求したことは、採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

(3)売上・利益の大きいメニューを記載する

 日本商工会議所全国商工会連合会のホームページには、小規模事業者持続化補助金【一般型】の計画書記載例がありますが、その中の海鮮居酒屋などの例では「売上・利益総額の大きい商品」の一覧表が掲載されています。

 これを盛り込むということは、書き手である事業者としてはどの商品が稼ぎ頭になっているのかが分かるため、今後の戦略に役立てることが可能になります。また、読み手としては事業規模や売れ筋商品が分かるため、その企業の現状を理解しやすくなることから、同表を盛り込んだことは、採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】の<経営計画>「1.自社の事業概要」から、採択されたポイントとして、(1)求められている内容を記載する、(2)ビジュアルに訴求する、(3)売上・利益の大きいメニューを記載する、を挙げました。次回は引き続き「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」について見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします

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4.電子書籍のご案内(2021年3月22日発行)

小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本
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