同社は創業45年を迎える葬儀社です。新型コロナウイルスの感染リスクを低減させるために、参列者をオンラインで繋ぎ、葬儀場に集めることなく葬儀を執り行う仕組みを考えました。
そして、その仕組みを構築し、宣伝する費用を調達するために、小規模事業者持続化補助金「コロナ特別対応型」の「非対面型ビジネスへの転換」として申請することにしました。
そこで、事前に作成した計画書をブラッシュアップしたいという相談を弊社にご依頼なさいました。結果として、無事採択されたわけですが、前回のコラムから引き続きどのようにブラッシュアップしたかをご紹介します。
下図は、小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>に応募する際の一般的な提出書類ですが、今回のコラムでは、下図、様式2「経営計画書」内の赤枠部分「3.新型コロナウイルス感染症による影響」「5.今回の申請計画で取り組む内容」「6.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」の書き方を解説していきます。
1.「3.新型コロナウイルス感染症による影響」の書き方
同社は当欄に、新型コロナウイルス感染症による影響として売上が減少しましたが、その要因として概ね以下の内容を記載されておりました。
①他県にて葬儀会葬者によるクラスターが発生したため
②新型コロナウイルス感染リスク軽減のため、マスクを着用する方が増加し、インフルエンザの流行がなかったため
③例年にないほどの暖冬のため
④一部マスコミの不安だけを煽るような報道があったため
繰り返しになりますが、当欄は「新型コロナウイルス感染症による影響」を記載する欄であり、その影響は売上の減少ということになります。そして、葬儀社である同社の売上が減少した要因は、葬儀が自粛されるようになったか、お亡くなりになる方が少なくなったかのいずれかです。
そこで、葬儀が自粛された要因とお亡くなりになった方が少なくなった要因を、新型コロナウイルス感染症と関連させて記載すると説得力が高まります。そうすると、前者の要因は前述の①であり、後者の要因は②となり、それ以外の記述は不要ということになります。
2.「5.今回の申請計画で取り組む内容」の書き方
(1)字数をどれだけ割くべきか
当欄は補助金を使用して行う取組を述べるため「2.事業概要」に続いて字数を割きたい欄です。弊社では「2.事業概要」で全体字数の40%を費やすことをお勧めしていますが、当欄は25%~35%を占めたいところです。
その理由は、全国商工会連合会と日本商工会議所が公表している記入例では25%を占めていること、弊社がご支援した採択事例では35%が最大であったからです。
(2)複数事業の説明の仕方
同社における「今回の申請計画で取り組む内容」は、遺影を映し出すデジタルサイネージ(電子看板)の導入と、非接触型葬儀を告知するためのホームページの作成です。
この2つについて、いつ実施するのか(When)、どこで実施するのか(Where)、だれが実施するのか(Who)、なにを実施するのか(What)、なぜ実施するのか(Why)、どのように実施するのか(How)と5W1Hを明確にして記載することをお勧めしました。
ポイントは、デジタルサイネージとホームページを一緒に書くのではなく、別々に説明することです。
3.「6.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」の書き方
小規模事業者持続化補助金「一般型」では、補助事業の効果として、売り手よし・買い手よし・世間よしの「三方よし」の観点から、自社の効果、顧客の効果、地域社会の効果と3方向から効果を記載することをお勧めしています。
ですが「コロナ特別対応型」では、あえて「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」としていること、枚数が5枚と制限があることから、当欄には「自社の効果」のみを盛り込めばよいと判断しています。
この考えのもと、同社では補助事業による自社の売上増加見込みを記載するに留めました。
このようなプロセスを経てブラッシュアップした計画書で申請した同社は無事採択されましたが、同社は文章が冗長になる癖がありました。よってポイントを絞り、不要な点は削除し、端的に述べることを意識していただきました。コロナ特別対応型は本年12/10が最終締切りですので、採択を狙う方はご参考にして下さい。
4.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
5.メルマガ会員様募集中
メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。登録はこちらから↓↓↓