小規模事業者持続化補助金の採択ポイント:学習塾の事例④

小規模事業者持続化補助金

 学習塾を営む同社代表は、学習塾運営会社に20年間勤務した後、10年前に創業しましたが、日々生徒によりよい授業を提供するためには何をするべきかと考える中、電子黒板を導入することにしました。

 電子黒板は、インターネットや教科書上の図表・画像を、ディスプレイ用ホワイトボードに映し出し、それらの移動・拡大・縮小・保存などの他、書き込みなどもできるものですが、これを導入するにあたり、小規模事業者持続化補助金を活用することとしました。

 そのために同社が作成した計画書を弊社が添削し、それを受けて同社は計画書をブラッシュアップして応募した結果、当補助金に採択されたわけですが、そのブラッシュアップのプロセスをご紹介していきます。

 下図は応募時に作成する書類ですが、今回のコラムでは赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。

1.「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方

(1)書くべきことを書く

 同社が事前に書かれてきた内容を拝見すると、[5年後の目標]、[目標達成のための課題]という2つの見出しが記載されていました。ですが、当欄のタイトルは「経営方針・目標と今後のプラン」ですから、素直に見出しをつければ【経営方針】、【目標】、【今後のプラン】になるはずですので、そちらに変更していただきました。

(2)経営理念に基づく方針を記載する

 経営理念は「自社がなぜ存在しているのか」という問いに対する答えであり、自社の存在意義を表します。よって、経営方針は経営理念に基づくものである必要があり、これにより自社の存在意義と事業展開の整合性がとれて、より効果が上がりやすくなると言えます。

 例えば、首都圏を中心に焼き鳥居酒屋を展開する株式会社鳥貴族の経営理念は「焼き鳥で世の中を明るくする」ですが、経営方針が「焼き鳥以外の新商品を開発する」だとしたら、整合性がとれていないので、効果が出にくくなると言えます。

 よって、今回事例として取り上げた学習塾には、まず経営理念を定めていただき、それに則った経営方針の策定をしていただきました。

(3)目標は今後のプランと連動させる

 同社が書いてこられた目標は5年後に達成したいものでしたが、なぜ「5年」という数字が出てくるのか疑問が湧きます。そこで、例えば5年間の【今後のプラン】があるとしたら、その疑問に答えることができます。

 よって、5年間の今後のプランを記載していただきましたが、目標は1年後、2年後…という形で各年の目標を設定していただきました。

 このようにして「4.経営方針・目標と今後のプラン」のブラッシュアップをしていきましたが、次回は<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」について見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします

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