その企業は、ダンス用ドレス生地の卸売業として創業し、20年の業歴の中で卸売の他に小売店やダンススタジオも展開するようになっていました。一時は映画「Shall we ダンス?」のヒットなどでダンス人口が増加し、同店の業績も大きく向上した時期がありましたが、近年は売上低下が頭痛の種になっていました。
そこで販売促進を強化するべく、小規模事業者持続化補助金を活用することとし、応募のための計画書を作成することにしました。そのご支援を弊社が行い、結果として採択されたわけですが、どのようにしてこのダンス用品販売店が、採択レベルの計画書を作成していったのかをご紹介していきます。
今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。
1.「経営方針・目標と今後のプラン」記入の仕方
(1)当欄がある理由を認識する
これまで見てきた「1.企業概要」「2.顧客ニーズと市場の動向」「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」には、過去から現在までをおさらいした内容を記載してきました。これに対して、今回見ていく「4.経営方針・目標と今後のプラン」は自社の未来を記載することになります。
補助金の財源は税金ですので、一度納めていただいた税金を事業者に再配分することにより、収益性が高まり、法人税や所得税などの納税額が増える可能性のある事業者が採択されやすいということになります。
そのような事業者は、未来を見据え、経営方針が明確であり、目標はしっかりと設定されており、今後のプランは現状を踏まえた具体的なものであることは言うまでもありません。これを踏まえて記載をしていただきました。
(2)「経営方針・目標と今後のプラン」を3つに切り分ける
「経営方針・目標と今後のプラン」をまとめて書こうとすると、やはり文章が冗長になり、読み手に伝わりにくいものとなってしまいます。そこで、このタイトルを分割した【経営方針】【目標】【今後のプラン】と3つの見出しを設けていただき、その見出しに沿った内容を記載していただきました。
小規模事業者持続化補助金に応募してきた計画書の中には、なぜその見出しを付けたのか理解に苦しむものがあり、その見出しのせいで話がどんどん逸れていってしまう事例は非常に多い印象があります。なぜその見出しを付けたのか説明できる見出しにする必要があります。
(3)見出しを部門毎に切り分ける
同社は、ダンス用品の販売を手がけるショップ部門と、ダンスの指導を行うダンススタジオ部門がありますので、【経営方針】【目標】【今後のプラン】それぞれにショップ部門の内容とダンススタジオ部門の内容を盛り込みました。
また、目標は各部門とも数字で表すことのできる定量的目標と、数字で表すことのできない定性的目標を盛り込みました。さらに今後のプランは各部門とも5年間の時間軸で各年に何を行うのかという表を盛り込みました。
このようにして「4.経営方針・目標のプラン」を記載していただきましたが、次回は<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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