同店は、家電量販店の下請事業者として、エアコンの設置工事を手掛ける家族経営の電気工事店ですが、さらに収益性を向上させるために、自店でエアコンを販売し、そのエアコンを自店で設置工事するという、最終ユーザーとの直請取引を拡大するための取組を強化することとしました。
この新規事業を展開するにあたって、ホームページ、チラシ、ノベルティマグネット(冷蔵庫などにメモ留めとして使っていただく告知用のマグネット)を作成することとし、その費用を小規模事業者持続化補助金で調達することとしました。
そして、同店における当補助金の計画書策定に関するご支援を弊社が行い、無事採択されたわけですが、同店が採択される計画書をどのように作成したのかをご紹介します。今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。
なお、当コラムでは<補助事業計画>のうち「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから解説を割愛しています。
1.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」記入の仕方
(1) 「補助事業計画」であることを意識する
同店が事前に記載してきた内容を拝見すると、当欄の見出しとして「製品・サービスの内容」「チラシを活用した戦略」「ITを活用した戦略」「価格的サービス、他社との比較」「実現性」「採算性」が記載されていました。
同店が当補助金を使って実施したいことは、ホームページの立上げ、チラシの作成と新聞折込み、ノベルティマグネットの作成と配布です。つまり、これらが補助事業であり「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」ということができます。
よって、まず「販路開拓等(生産性向上)の取組内容は、(1)ホームページの立上げ、(2)チラシの作成と新聞折込み、(3)ノベルティマグネットの作成と配布、である」と述べていただきました。
その上で「(1)ホームページの立上げ」「(2)チラシの作成と新聞折込み」「(3)ノベルティマグネットの作成と配布」と見出しを設け、それぞれについて記載していただくことにしましたが、ひとつ留意点があります。
(2) 「審査の観点」を意識する
日本商工会議所、全国商工会連合会がサイト内で公表している小規模事業者持続化補助金応募の際のルールブックである「公募要領」には、補助金採択審査の際にどのような観点から審査されるのかという「審査の観点」というページがあります。
この審査には、応募条件を満たしているかを審査する「基礎審査」と計画書の内容を審査する「加点審査」があり、後者は採択に大きな影響を与えます。下図は「加点審査」に関する記述ですが、今回の「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」に関係の深い部分は、赤枠部分「補助事業計画は具体的で、」と「創意工夫の特徴があるか。」です。以下では、この赤枠部分についてどのように記載したのか見ていきます。
(3) 具体的に、かつ創意工夫の特徴を書く
弊社では、具体的に書くということは、いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)行うのかという5W1Hを明確に書くことと解釈しており、それらの記載をお勧めしています。
同店はこの5W1Hを以下のように解釈して記載されました。
いつ(When)→期間、だれが(Who)→業者、なにを(What)→内容、なぜ(Why)→用途、どこで(Where)→範囲、どのように(How)→特徴
具体的にホームページ立上げの例をとると以下の内容となりました。
この中で「特徴」欄の中に「創意工夫の特徴」を訴求しています。同店は、このような手順で<補助事業計画>「Ⅰ.補助事業の内容 2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を記載していただきましたが、次回は「4.補助事業の効果」以降について見ていきます。
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