同店は地方都市に立地し、親子2代にわたって経営を継続してきた鮮魚店です。これまで近隣の大型スーパーと差別化を図りながら事業展開を行ってきましたが、より顧客満足度を高めるために店舗改装を行うことにしました。そこで、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達するために計画書を作成し、応募した同店は当補助金に採択されました。
今回のコラムは、同店が作成した持続化補助金応募用の計画書を題材に、どのように計画書を記載すれば採択に近づけるのか、小規模事業者持続化補助金で店舗改装を行った鮮魚店の事例①に引き続き、そのポイントを見て行くシリーズの2回目です。
以下は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際に作成する資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画> 「2.顧客ニーズと市場の動向」について見ていきます。
なお、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。
1.「顧客ニーズと市場の動向」の書き方
「顧客ニーズと市場の動向」は外部環境がどうなっているのかを説明する欄です。経営は環境変化への対応が重要なポイントとなりますが、その変化を把握していなければ変化への対応も的を射たものにはなりにくくなってしまいます。
特に小規模事業者にとっての外部環境は、経営者自身が日々仕事に追われる中、目が向きにくい部分です。今回取り上げる鮮魚店はどのようにそれを記載したのかを以下に列挙します。
(1)2つに切り分ける
当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」ですが、これをまとめて記載しようとすると内容が冗長になりがちです。結果として伝えたいことが読み手に伝わりにくくなり、採択が遠のいてしまうリスクがあります。そこで【顧客ニーズ】【市場の動向】という2つの見出しを設け、それぞれに該当する内容を記載しました。
(2)ビジュアルに訴求する
同店は【顧客ニーズ】として3つの内容を列挙していましたが、それぞれにおいて強調したい部分は文字を赤色に変えました。
また【市場の動向】においては、①競合動向、②今後注力していきたい惣菜の市場規模について、を記載しましたが、①競合動向については、競合の立地状況が分かる地図やその一覧表、②市場規模についてはその推移が分かる棒グラフを盛り込みました。
このようにビジュアルに訴求することは、理解が容易になったり、内容のリアリティが高まったりするので読み手を惹き付けることができ、結果として説得力が向上する効果が見込めます。
(3)今後注力していきたい分野を重点的に記載する
前述の通り、同店は【市場の動向】を①競合動向、②市場規模に切り分けていましたが、①競合動向に関しては、自店の主力商品である鮮魚と今後注力していきたい惣菜に切り分けて記載をしました。
これに対して②市場規模は、紙面の都合で惣菜に関する内容しか盛り込めませんでしたが、このように紙面の制限がある場合は、今後注力していきたい分野の内容に絞って書くことも一考です。
このように、同店は「2.顧客ニーズと市場の動向」の記載に当たって(1)2つに切り分ける、(2)ビジュアルに訴求する、(3)今後注力していきたい分野を重点的に記載する、といったポイントを踏まえて記載しました。次回のコラムではこれに続く「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見て行きます。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
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