同社は、十数年前に英会話教室として創業しましたが、現在では、高校受験科目全般に対応しています。ですが、同社の教室が利用されるのは、主に学校での授業が終わってからであり、日中の時間帯に同社の教室をいかに稼働させるべきかという点が経営課題のひとつになっていました。
そこで、外国人講師との人脈を活かし、地域住民に向けたカルチャー教室を日中に英会話で提供することにしました。例えば、ヨガ教室を英会話で提供する場合、受講者が英語に馴染みがなくても、講師の身振り手振りでヨガ自体は学べるわけです。それは料理教室であれ、体操教室であれ同様なわけで、受講者はそのようなテーマを学べるだけでなく、英会話に慣れることができるというメリットもあります。
同社はこの取組をチラシ、ポスター、ホームページで告知することにしましたが、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達することとしました。弊社は、同社における当補助金の計画書策定に関するご支援を行い、無事採択されたわけですが、採択される計画書を同社がどのように作成したのかをご紹介します。
今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。
なお、当コラムでは<補助事業計画>のうち「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから解説を割愛しています。
1.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」記入の仕方
(1) 補助事業を端的に説明する
当欄は「補助事業計画」を構成しますので、あくまでも補助事業に絞って述べることを意識するべきです。まずは、その補助事業が何なのかを端的に述べて読み手に全体像を掴んでいただきます。同社の場合は、まず「英会話を用いたカルチャースクールについて、チラシ・ポスター・専用サイトによる告知を実施する」と端的に説明を記載しました。
(2) 補助事業を具体的に説明する
小規模事業者持続化補助金のルールブックである公募要領には、「審査の観点」というページがあり「加点審査」として以下が記載されています。そのうち、当欄に直接関係があると思われるのは、図の赤枠部分(1)「補助事業は具体的で」、(2)「創意工夫の特徴があるか」です。
そこで、まずは補助事業の具体的な説明を記載しますが、この際に、いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)行うのかという5W1Hを用いると良いでしょう。
同社は、チラシ・ポスター・専用サイトによる告知が補助事業ですから、それぞれの5W1Hを記載しました。例えばチラシであれば以下の内容を記載しました。
チラシの作成・配布について
- いつ作成・配布するのか:交付決定後~○年●月◎日
- だれが作成・配布するのか:代表者が株式会社△△へ発注し、作成。同社が配布。
- なにを作成・配布するのか:英会話を用いたカルチャースクールの具体的内容、開催日、受講料、参加するメリットを記載したチラシ
- なぜ作成・配布するのか:代表者の属人的要素による集客に頼らず、代表者が計画や戦略策定など中長期的な取組みに集中させるため。また▽▽市だけでなくそれ以外の地域からの集客を促進させるため。
- どこで作成し、どこへ配布するのか:株式会社△△で作成し、当社から半径2キロメートルの地域へポスティングするとともに、▽▽市・▲▲市へ新聞折込で配布。
- どのように作成・配布するのか:株式会社△△が叩き台を作成、これに対して、当社の意見を盛り込み、修正を2回ほど行い、作成する。ポスティングと新聞折込みは同社が行う。
(3) 創意工夫の特徴を説明する
前述の通り、公募要領の「加点審査」には「創意工夫の特徴」の有無もポイントとなっています。そこで、「創意工夫の特徴」とタイトルをつけた上で、「6畳一間でスタートした当社の沿革や、外国人観光客の増加・企業の海外進出に伴う英会話の重要性、また、英会話学習における敷居の低さを盛り込む点」という内容を記載しました。
さらに当カルチャースクールの「概要」「当事業着想の背景」「実現性」「採算性」について補足説明を盛り込みました。
このようにして、<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を記載しましたが、次回のコラムでは、「4.補助事業の効果」を見ていきます。
なお、Clubhouseで持続化補助金採択のポイントについて語っています。次回は2021年2月21日(日)から実施予定です。
2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、採択の可能性を高める計画書作成のお手伝いをいたします。詳しくはこちらから↓↓↓
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