そのギフトショップは、地域に2店舗を展開しておりましたが、そのうち1店舗の老朽化が進んでいたことから、顧客にインパクトを与え、店頭を活性化するために、店舗外観の改装をしたいと考えるようになりました。
その費用を小規模事業者持続化補助金で調達しようとした同店に対して、弊社は当該補助金における採択可能性を高めるべく、その計画書のブラッシュアップをご支援しました。結果として無事採択されましたが、どのように計画書をブラッシュアップしたのか、複数回にわたってご紹介します。
第6回目の今回は、様式2-1<補助事業計画>の「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」について見て行きます。
1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像
まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締め切り日までに送付する必要があります。
- 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
- 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
- 様式3-1 補助事業計画書②
- 様式4 事業支援計画書
- 様式5 補助金交付申請書
このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。
2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像
今回は、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- <応募者の概要>
- <経営計画>
- <補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容
3.<補助事業計画>の全体像
今回は<補助事業計画>の内容を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- 補助事業で行う事業名
- 販路開拓等(生産性向上)の取組内容
- 業務効率化(生産性向上)の取組内容
- 補助事業の効果
今回のコラムでは、2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容を見ていきますが、ここまでをまとめると、今回のコラムでは下図の赤枠で囲んだ部分を見て行くことになります。
なお、当コラムでは「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから、説明は割愛しています。
4.「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方
(1)書くべきところに書く
同店が事前に書かれてきた内容を拝見すると、当欄には【現状】【現状の課題】【解決策】という見出しが設けられており、それぞれの内容は概ね、以下の内容となっていました。
【現状】
➀オープン後14年が経過し、看板などの老朽化が目立つようになってきている。
②ネット販売が普及しているが、高齢者を中心に店頭で購入する層もかなりの割合で存在する。
【課題】
かつては、広告宣伝を頻繁に実施していたので知名度はあったが、現代では青果販売店と間違われることもあり、店舗の業態より訴求できる外観にする必要がある。
【解決策】
店舗外装に明るいイメージで大きく「ギフトショップ」というロゴを入れる。また、交通量が多い場所に立地しているので、ロゴが運転手の目線入るような外観に変える。同時に店舗内も配置や什器を変え、イメージ刷新を図る。
まず、【現状】のうち、①は後ほど説明する「なぜ改装をするのか」という見出しの下に置きます。②は<経営計画>の「2.顧客ニーズと市場の動向」の「顧客ニーズ」に置き、ネットではなく店頭で直接商品を見て購入したいというニーズがある、ということを訴求します。
(2)具体的に書く
【現状の課題】【解決策】はひとつにまとめて、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)の5W1Hを明確にします。これは、下図公募要領の「審査の観点」を意識した結果です。
(3)ビジュアルに訴求する
店舗外装にロゴを入れるのであれば、店舗外装の写真を盛り込み、どの部分にロゴを入れるのか分かるように記載して、ビジュアル面からの理解を促すことが採択に有効です。店舗内の改装も行うということですので、やはり店舗内の写真を盛り込み、どこをどのように改装するのかを示すとより良いでしょう。
このようにして「<補助事業計画>2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」をブラッシュアップしていただきました。次回のコラムでは「4.補助事業の効果」を見て行きます。
5.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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