採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【補助事業計画】の書き方③

小規模事業者持続化補助金

 「文章力がないので計画書が上手く書けないんです」といったお声をいただくことがありますが、この発言は、補助金を得るためには作成した計画書が審査で高評価を得る必要があることを意識しているものであるはずです。

 ですが、文章力の高さよりも、計画書の内容が伝わるかどうかという点を重視するべきでしょう。なぜなら内容が伝わらなければ読み手は高い評価をすることができないからです。

 弊社では、伝わりやすい内容の計画書とは、必ずしも高い文章力を備えたものではないと考えており、当サイトでは伝わりやすい内容の計画書を作るためのポイントを、手を変え品を変え、事例を変え資料を変え、幾度も述べてきました。

 下図は、持続化補助金申請時に作成する【経営計画】【補助事業計画】の項目をまとめたものですが、今回のコラムでは前回のコラムに引き続き、赤字部分「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を取り上げ、内容を伝わりやすくするにはどのように記載するべきかを見ていきます。

1. 採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【補助事業計画】の書き方Part3

採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【補助事業計画】の書き方Part3(1)表形式で表現する

 前回前々回のコラムで、補助事業計画は具体的に記載する必要があり、そのために5W1H各項目の書き方を述べました。ですが、これら5W1Hを文章として長々と記載することは内容が伝わりにくくなるリスクが高まってしまいます。

 そこで弊社ではこれらを表形式にして当欄に盛り込むことをお勧めしています。前回前々回のコラムで例に挙げた、チラシの作成・配布を補助事業として申請する場合に5W1Hを表形式にまとめた例が以下となります。

採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【補助事業計画】の書き方Part3(2)補助事業を切り分ける

 例えば、チラシの作成・配布の他に、ネット広告や雑誌広告など複数の補助事業を行う場合に、これらをまとめて説明しようとすると内容が混在し、伝わりにくくなるリスクが高まってしまいます。

 そこで、冒頭に「補助事業は①チラシの作成・配布、②ネット広告、③雑誌広告である」と全体像を述べた上で、①チラシの作成・配布の5W1H、②ネット広告の5W1H、③雑誌広告の5W1Hを前述のようにそれぞれ表として盛り込むと、内容が伝わりやすくなるでしょう。

 なお、前述のチラシの作成・配布における5W1Hの表においても、項目によっては、「作成」と「配布」を切り分けていますのでご参考まで。

採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【補助事業計画】の書き方Part3(3)ビジュアルに訴求する

 文章で説明するよりもビジュアルに訴求したほうが、イメージが湧きやすいので、計画書に記載した内容が伝わりやすくなることが期待できます。

 例えば、店頭に看板を設置する場合は、店頭の写真を掲載し、そのどこに看板を設置するのかを示して「どこで(Where)実施するのか」に盛り込んだり、チラシを作成するのであれば、チラシの完成イメージを示して「なにを(What)実施するのか」に盛り込んだりすることにより、補助事業の具体性はより高まるでしょう。

 ただし、計画書は全部で8ページ程度に収める必要がありますから、写真や図表を盛り込みすぎて分量をオーバーすることは避けたいところです。また、多くの写真を盛り込んで8ページに収めようとした結果、それぞれの写真が小さくなりすぎて何が写っているのか、何の図表なのかわからなくなることも避けたいところです。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金に申請する際に記載する【補助事業計画】「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」における書き方のポイントとして、(1)表形式で表現する、(2)補助事業を切り分ける、(3)ビジュアルに訴求する、を挙げました。次回のコラムでは「4.補助事業の効果」の書き方を見ていきます。

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