たまに「採択されたのに減額されちゃいました！」というご相談を受けることがあります。このような事業者は採択された以上、申請した経費は全て補助対象になると思い込んでいるようですが、そのようなことが発生しないように、自社が申請しようとしている経費が補助対象となるのか否か、しっかり把握する必要があります。
この際に、補助金申請のルールブックとしての機能を持つ公募要領が参考になりますが、2022年3月22日に小規模事業者持続化補助金<一般型>の公募要領が公開されました。当コラムでは上記のような事業者様の発生を防ぐべく、この公募要領に基づき、当補助金の対象経費のうち「機械装置等費」についてポイントを述べていきます。なお、当公募要領は以下のサイトからダウンロードすることができます。
1．上限200万円！持続化補助金<一般型>補助対象経費のポイント：機械装置等費版
上限200万円！持続化補助金<一般型>補助対象経費のポイント：機械装置等費版（1）補助事業に要する費用が対象
公募要領によると当補助金における「機械装置等費」は、補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費となっています。
当補助金事業の目的を踏まえると、ここでいう補助事業は、経営計画に基づく地道な販路開拓等の取組 （例：新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発等）や、 地道な販路開拓等と併せて行う業務効率化（生産性向上の取組）がなされる取組みと考えられます。
よって、公募要領にあるように、通常の事業活動のための設備投資の費用、単なる取替え更新に要する費用は補助対象となりません。
上限200万円！持続化補助金<一般型>補助対象経費のポイント：機械装置等費版（2）新品の購入は相見積もりが必要な場合がある
相見積もり（あいみつもり）とは、1社だけではなく複数の事業所に見積書の提出を依頼することであり、これを取得することによって、購入しようとしている機械装置等における価格の妥当性が判断しやすくなります。
当補助金における機械装置等費においては、新品の場合は税込みで1件当たり100万円超の場合に相見積りが必要であり、そのうち安価な見積もりを出した事業者へ発注することになります。
また、新品を購入する場合に限り、発注する機械装置等の性質上、見積書をとることが困難な場合は、当該発注企業を随意契約の対象とする理由書を実績報告時に提出することになります 。
上限200万円！持続化補助金<一般型>補助対象経費のポイント：機械装置等費版（3）中古品の購入は相見積もりが必要
当補助金における機械装置等費においては、中古品の場合は税抜きで1件当たり50万円未満の場合が対象、相見積りは金額に関わらず必要であり、そのうち安価な見積もりを出した事業者へ発注することになります。
また、中古品の購入にあたり、見積書をとることが困難な場合は、理由書の提出に関わらず、補助対象外となります 。
上限200万円！持続化補助金<一般型>補助対象経費のポイント：機械装置等費版（4）原則として補助事業以外に使えるものは対象外
例えば、補助事業でパソコンを活用する場合に、このパソコンはプライベートでも使用することが可能です。このような機械装置等は「汎用性がある」とされ、補助対象外となっています。
その他にも、車両やPC周辺機器（ハードディスク・LAN・Wi-Fi・サーバー・モニター・スキャナー・ルーター、ヘッドセット・イヤホン等）も汎用性があるとされており、対象にはなっておりません。
なお、公募要領に記載のある、対象経費例としては以下が挙げられます。
- 高齢者・乳幼児連れ家族の集客力向上のための高齢者向け椅子・ベビーチェア
- 衛生向上や省スペース化のためのショーケース
- 生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫
- 新たなサービス提供のための製造・試作機（特殊印刷プリンター、３Ｄプリンター含む）
- 販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア（精度の高い図面提案のための設計用３次元ＣＡＤソフト、販促活動実施に役立てる顧客管理ソフト等）
- 自動車等車両のうち「減価償却資産の耐用年数等に関する省令（昭和４０年大蔵省令第１５号）」の「機械及び装置」区分に該当するもの（例：ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備）
今回のコラムでは、2022年3月22日に公開された、小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領に基づく補助対象経費（機械装置等費）のポイントとして、（1）補助事業に要する費用が対象、（2）新品の購入は相見積もりが必要な場合がある、（3）中古品の購入は相見積もりが必要、（4）原則として補助事業以外に使えるものは対象外、を挙げました。
なお、対象になるか否かの判断がしにくいケースがあり、この場合は事務局の判断となるため、事業者が補助対象となると思っていても、事務局がそうではないと判断されるケースもあります。よって、冒頭に示した通り、判断に迷う場合は事前に事務局に確認するとともに、回答した方のお名前も控えておくことをお勧めします。
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