日々、仕事に追われていると「あれが足りないこれが足りない」と内部環境のネガティブな部分に目が向きがちになるものです。そのような中、小規模事業者持続化補助金申請時に作成する<経営計画>には「2.顧客ニーズと市場の動向」として外部環境を記載する必要があます。
例えば商圏人口が減っていることにいち早く気付き、客数確保のためにネット通販に進出した小売店と、それに気付かず何の手も打たなかった小売店の業績がどうなるかは言うまでもないことです。
つまり、まずは外部環境がどうなっているのか、その変化を捉える必要があります。今回は前回のコラム持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例②に引き続き、採択の可能性を高める<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年5月2日現在の情報に基づいています。
1.持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例③[顧客ニーズと市場の動向編]
持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例③[顧客ニーズと市場の動向編](1)顧客ニーズを踏まえた今後の方向性を述べる
前回のコラムで顧客ニーズの抽出について述べましたが、それらを「書いて終わり」ではなく、今後の事業展開に活用していくことが重要です。不採択になる計画書は、このように「書いて終わり」になっていて、その計画を今後経営に活用するという意識がうかがえないケースが多い印象があります。
同社は、抽出・記載した顧客ニーズにどのように応えていくのかという点を踏まえた今後の事業の方向性を記載しておりました。そして、その方向性に沿って補助事業が展開されるというストーリーが出来上がっていました。
持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例③[顧客ニーズと市場の動向編](2)市場動向が自社に与える影響を述べる
同社は市場の動向として、新設住宅着工戸数の推移やリフォーム工事の市場規模の推移を記載していましたが、これらも前述同様「書いて終わり」にはしていませんでした。
新設住宅着工戸数は減少傾向、リフォーム工事の市場規模は拡大傾向という状況を踏まえ、自社の売上高は今後どのようになっていくと見込まれるのか、そして、自社の業績をより向上させていくためにはどのような課題があるのかを記載していました。
持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例③[顧客ニーズと市場の動向編](3)競合の状況を記載する
同社は「市場動向」として、新設住宅着工戸数の推移やリフォーム工事の市場規模の他に、競合に関する内容も記載しておりました。
当補助金の<経営計画>には、今回見ている「2.顧客ニーズと市場の動向」の後に「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」があります。強みは競合に対する差別的優位性ですので、競合について把握することは比較対象が明確になりますから、強みが洗い出しやすくなるとともに、記載した強みの説得力向上が期待できます。
また、その後に「4.経営方針・目標と今後のプラン」がありますが、競合について把握することは、競合と差別化された戦略に基づく内容を検討することが可能となります。競合を模倣した戦略も一考の余地がありますが、この場合、価格競争に陥りがちになるリスクがあることから、競合とは価格以外で明確に差別化された戦略を検討することをお勧めしています。
なお、同社は具体的な社名を挙げず、競合全体の動向を記載しておりましたが、競合が特定できるのであれば、社名や事業活動の特徴を記載しても良いでしょう。
今回のコラムでは、持続化補助金に採択されてホームページなどを作成した不動産業が<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」をどのように記載したのか、そのポイントとして(1)顧客ニーズを踏まえた今後の方向性を述べる、(2)市場動向が自社に与える影響を述べる、(3)競合の状況を記載する、を挙げました。
次回のコラムでは、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の記載ポイントを見ていきます。なお、同車を取り上げたコラムのバックナンバーは以下となります。
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