持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例④

小規模事業者持続化補助金

 持続化補助金で不採択になる典型的なパターンのひとつに「弱みの克服」をテーマとした計画書があります。このような計画書は「1.企業概要」で自社がいかにちっぽけな会社なのかを訴求し、「2.顧客ニーズと市場の動向」で大型店舗が地域に進出したり、商圏人口が減少したりして、自社が厳しい状況であることを訴求しがちです。

 そして、今回見ていく「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」で大した強みがないことを訴求し、そんな厳しい状況だから補助金が欲しいという流れで記載することは、気持ちとしては理解できないこともないですが、このような事業者に補助金を交付しても業績の拡大という成果は見込みにくいと言えるでしょう。

 小規模事業者がとるべき戦略の鉄則は「強みの活用・強化」であり、当補助金の公募要領「審査の観点」にも「自社の強みも適切に把握しているか」という記載があります。

 今回は前回のコラム持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例③に引き続き、採択の可能性を高める<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年5月3日現在の情報に基づいています。

1.持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例④[自社の自社の提供する商品・サービスの強み編] 

持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例④[自社の自社の提供する商品・サービスの強み編](1)経営資源の切り口を活用する

 弊社では強みを「差別的優位性のある経営資源」と定義していますが、経営資源の構成要素は「人」「物」「金」「情報」とされており、具体的には以下の内容が考えられます。

  • 「人」:経営者・従業員の経歴やスキル・保有している資格など
  • 「物」:店舗立地、生産設備、什器、商品・サービスなど
  • 「金」:金融機関との関係性、支払遅滞・利息負担状況など
  • 「情報」:ブログ・SNSの投稿頻度やアクセス数、勉強会・研修などへの出席状況など

 同社は、上記4つの経営資源のうち「人」と「物」に関する強みを取り上げていました。「人」に関する強みは経営者の能力に関する内容、「物」に関する強みは同社が提供するサービスに関する内容を記載しておりました。

 なお、製造・卸・小売業は製品・商品という「物」を取り扱いますが、美容室やネイルサロンといったサービス業は基本的に「物」ではなく「調髪」や「ネイル」といった「サービス」を取り扱います。同様に、同社は不動産売買の仲介やコンサルティングといった「サービス」を提供していますので「物」である製品・商品という経営資源を「サービス」に置き換えて強みを述べることは妥当性があると判断できるでしょう。

持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例④[自社の自社の提供する商品・サービスの強み編](2)見出しを効果的に活用する

 前述のように、同社は「経営者の能力」と「提供するサービス」という2つのテーマで強みを述べていましたので、それぞれを表す大見出しを設けていました。そして、その大見出しの下に小見出しを設けて読みやすさを高めていました。

 例えば「経営者の能力」という大見出しを設け、その内容を文章で長々と述べることは読み手に内容が伝わりにくくなってしまうリスクが発生します。そこで、経営者の能力に関する強みを一言で表せる小見出しをいくつか設けた上で、端的な文章で内容の説明をするというスタイルをとっていました。

 今回のコラムでは、持続化補助金に採択されてホームページなどを作成した不動産業が<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」をどのように記載したのか、そのポイントとして(1)経営資源の切り口を活用する、(2)見出しを効果的に活用する、を挙げました。

 次回のコラムでは、「4.経営方針・目標と今後のプラン」の記載ポイントを見ていきます。なお、当シリーズにおいて前回までのコラムは以下となります。

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