持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例⑥

小規模事業者持続化補助金

 持続化補助金を活用することは「経営を良くする」という目標を達成する手段であるはずです。よって、どのようになったら経営が良くなったと言えるのかを定義づける必要があり、それが目標設定の持つ意義と言えるでしょう。

 持続化補助金に応募する際に作成する<経営計画>には「4.経営方針・目標と今後のプラン」に目標を記載しますが、目標設定の意義をしっかり意識しないと、単に設定しただけの目標になりがちです。

 今回は前回のコラム持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例⑤に引き続き、当欄の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年5月5日現在の情報に基づいています。

1.持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の計画書作成ポイント[経営方針・目標と今後のプラン編Part2] 

持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の計画書作成ポイント[経営方針・目標と今後のプラン編Part2](1)数値目標を記載する

 目標は掲げることよりも達成することが重要ですから、設定した期限に達成できたかどうか測定できるように、数値で示した目標であることがポイントとなります。今回取り上げた不動産業では、売上高と利益を目標として記載しておりましたが、それ以外にも数値目標としては、伸び率、問い合わせ数、見積発行数、従業員数などが挙げられます。

 企業イメージ、存在感、顧客満足度の向上といった、数値で表すことのできない目標を掲げても構いませんが、それだけでは目標として機能しにくいのではないでしょうか。

持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の計画書作成ポイント[経営方針・目標と今後のプラン編Part2](2)利益目標を記載する

 補助金の財源は税金であり、納められた税金を補助金という名前に変えて再配分することで、より大きな納税額が見込める申請者が採択に有利とされます。この納税額は利益が算出根拠になりますので、目標を設定する場合は利益を意識することがポイントになるでしょう。

 同社は前述の通り目標として、売上高目標と利益目標を記載しておりました。数値目標を記載する場合、売上高を目標とする事業者が多い印象がありますが、同社のように利益目標を記載する事業者は、補助金の意図をしっかり理解していることが想定されます。

持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の計画書作成ポイント[経営方針・目標と今後のプラン編Part2](3)目標の根拠を示す

 単に数値を並べただけでは、目標の意義が薄れてしまいますが、同社は売上目標に関してはなぜその目標としたのか、その算出プロセスを示していました。また、利益は売上高から原価や経費を差し引くことで算出されますので、原価や経費の算出根拠も示していました。

 納税額に関する内容を前述しましたが、納税額が大きくなることをアピールするべく目標利益を大きく示せば良いというものではなく、その事業者が達成できる現実的な目標なのかという点も重要なポイントとなります。その際に、単純に大風呂敷を広げるのではなく、同社のように根拠に基づく目標を設定することは、相応の説得力を持つことになります。

持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の計画書作成ポイント[経営方針・目標と今後のプラン編Part2](4)数年後の目標も述べる

 同社は今後3年間の目標を設定しておりました。小規模事業者は経営者が現場の第一線で働く場合が多い印象がありますが、その結果、目先の売上や利益にこだわりすぎるという短期的な視点に陥りがちとなります。

 事業を継続させるためには、今日の売上も必要ですが、それ以降の売上も必要なはずです。よって、同社のように目先の目標だけでなく数年先の目標も記載することに妥当性があると判断できるでしょう。

 今回のコラムでは、持続化補助金に採択されてホームページなどを作成した不動産業が<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」をどのように記載したのか、そのポイントとして(1)数値目標を記載する、(2)利益目標を記載する、(3)目標の根拠を示す、(4)数年後の目標も述べる、を挙げました。

 次回のコラムでは、今回に引き続き「4.経営方針・目標と今後のプラン」の記載ポイントを見ていきます。なお、当シリーズにおいて前回までのコラムは以下となります。

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