持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例⑦

小規模事業者持続化補助金

 小規模事業者持続化補助金に採択された不動産業がどのような計画書を作成したのか、そのポイントを述べるシリーズの今回は<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」のうち「今後のプラン」を取り上げます。

 そもそも、当計画は基本的に小規模事業者持続化補助金の申請をする事業者が作成しますので、当然、補助金を得たいと考えているはずです。そして、その思いだけが先走りしてしまい、補助金を何に使いたいのかといった<補助事業計画>を「今後のプラン」として記載してしまう場合を散見します。

 ですが、その内容は次回以降で見ていく<補助事業計画>に詳しく記載するべきであり「今後のプラン」は<経営計画>の一部ですので、補助事業も含めた全体の計画が求められていると考えられます。そのような点に留意した上で、当補助金に採択された不動産業がどのような「今後のプラン」を作成したのか、そのポイントを見ていきます。

1.持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の計画書作成ポイント[経営方針・目標と今後のプラン編Part3] 

持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の計画書作成ポイント[経営方針・目標と今後のプラン編Part3](1)今後のプランは表形式で示す

 「今後のプラン」でありがちなパターンは、何を行うのかという実施事項だけを記載し、いつ行うのかという時間軸がなく、結果的に実施事項の羅列、つまりタスクリストになっているパターンです。

 例えば旅行のプランを立案する場合、何時に出発して、何時にどこで休憩し、何時に目的地に到着するのかといった、時間に関する内容はついて回るはずです。「今後のプラン」も同様に時間軸が必要であり、それがなければプランとしては機能しにくいと言えるでしょう。

 同社の場合は、縦軸に実施事項、横軸に時間軸をとった表を盛り込んで、いつ何を行うのかを明確に示しておりました。繰り返しになりますが、時間軸が抜けている「今後のプラン」が非常に多いので注意していただきたいと思います。

持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の計画書作成ポイント[経営方針・目標と今後のプラン編Part3](2)ビジュアルに訴求する

 同社は、今後立ち上げていく新規事業のプランを掲載していましたが、その新規事業で手掛けていく不動産物件を保有していたため、その写真を掲載していました。また、当該新規事業のビジネススキームは図にして盛り込んでいました。

 前述の「今後のプラン」を表形式で示した点も含め、このように写真や図表を用いることは、文章だけの説明に比べると理解が進みやすくなる効果が期待できます。ただし、写真や図表は場所をとりますので、計画書の上限枚数である8枚をオーバーしないようにする必要があります。

 また、多くの写真や図表を無理に詰め込んで8枚に収めようとすると、おのずと写真や図表は小さくなってしまいますが、そのために何の写真や図表なのかわからなくなってしまうことも留意点として挙げられます。

持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の計画書作成ポイント[経営方針・目標と今後のプラン編Part3](3)事業ドメインを示す

 事業ドメインとは企業が経済活動を行う場合の領域を指し、同社は新規事業で業績を向上させるために「誰に」「何を」「どのように」提供していくのかという形でこの事業ドメインを記載しておりました。

 「誰に」は、新規事業のターゲット顧客を意味します。ターゲットが明確であるからこそ、事業展開の領域が決まり、その層に絞った事業活動を展開することが可能となります。

 「何を」は、顧客ニーズを叶えるために提供する便益を指します。顧客は事業者が提供する商品・サービスを使用することで自身が持つニーズを叶えようとします。よって、事業者は顧客ニーズを把握し、それを叶えるために何を提供するのかを検討する必要があります。

 「どのように」は、競合と比較した差別的優位性を指します。ターゲット顧客や提供する便益が決まっても、それが顧客に届かなければ顧客はニーズを叶えることができません。よって、どのように自社の商品・サービスを訴求し、どのように提供するのかを検討します。

 同社はこれらを明確に記載していたことから、「今後のプラン」に則って実施していく新規事業の有効性に高い説得力があったと考えられます。

 今回のコラムでは、持続化補助金に採択されてホームページなどを作成した不動産業が<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」をどのように記載したのか、そのポイントとして(1)今後のプランは表形式で示す、(2)ビジュアルに訴求する、(3)事業ドメインを示す、を挙げました。

 次回のコラムでは<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の記載ポイントを見ていきます。なお、当シリーズにおいて前回までのコラムは以下となります。

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